おしまいのとき / ポツドール @ ザ・スズナリ
久しぶりの劇団公演です。
この間、色々なことがありました。
そして、今、この時期に、自分が何をやりたいのか、
何をやるべきなのか、とても悩みました。
で、出した結論がこの芝居です。
恥ずかしいくらいの直球勝負でいきます。
どうぞ、よろしく。
ポツドール主宰 三浦大輔
(公演チラシより)
ひっさしぶりのポツドール本公演。それがこのタイミング!上演時間は2時間半と聞いているけど、わたしにとっては3時間です!と息巻きながら下北へ。ディスクユニオンにでかでかと貼られている岡村ちゃんのメガネスーツポスターに、買う気もないのになぜか店内に入ってうろうろしちゃったり*1しつつも、開場時刻には間に合ってスズナリにIN。数名しかいない会場に爆音で岡村ちゃんが鳴り響いております!ああ、ポツドールだー*2。岡村ちゃんもポツドールもおかえり、おかえり!あっ、Lust Versionが流れてきたよ、うをー盛り上がるぅー、クレッシェンドだ暗転だ、「君がどんっ」(開演です)!
2009年3月「愛の渦」から2年半ぶり*3、これは再演だったから、ポツドールの新作公演としては2008年4月の「顔よ」から3年半ぶり。
「おしまいのとき」のおしまいのときは、はじまりのようでした。
あるいは「まだ始まってもいねえよ」?
厳しい状況になってしまって食事も喉を通らなくてやせ細ってしまったあと、やっとふつうにご飯を欲したとき、キヨたんが亡くなったとき、ハラカミさんが亡くなったとき、それから震災のあったその日。「それでもやっぱりわたしはごはんをたべるんだな」って思った。
三浦さんがチラシにも書かれていた、「この時期」にこのシーンだけで「あ、つながった」って思った。なんでも震災に結びつけて語る評論や新聞記事のこと、だいっきらいなんだけど、思っちゃった。ここに限らず被害者ヅラが横行・拡大していく様子とか、まず「日常の中で不意に理不尽な不幸に襲われる」という設定自体につながりを見出してもぜんぜん不思議ではないんだけど、自分の中では、ラストもラストのこのシーンで「つながった」って思った。「それでも、生きていく」という言葉があたまに浮かんだ。
なんだよもう、さんざんあんなひどいことしといて最後に優しくすんなよな!(好き)
またこういう感じになってしまいました、と、さ。
それから、いま海外で上演中らしき過去作品「夢の城」(だいすき)の1シーンも思い出しました。唯一の食事シーンでの、素っ裸のシーンよりも強調されてたむきだし感。
あらすじを語ってみると、どうにもメロドラマ、エグいとき*4の昼ドラなんですよね。実際、途中、奥さんと米村さんの窓際でのキスシーン、いきなりメロウでメロウなメロンメロンなメロドラマ風フレンチな曲がかかるもんだから、ぶーと噴きそうになりました。周りが全然笑わなかったのでとっても我慢した。学生の時、女子の間で宮川匡代の「One」を読んでぶーと噴いていたら、「なんで?こんなに素敵なのに!」て怒られたことを瞬時に思い出しました。でもあのシーン、笑わせようとしてるでしょ、って思ったんだけどないまも思ってるんだけどなー。
そんななんだけど、陳腐と言われてしまいそうなんだけど、決してそうは感じさせないあの重たい剛速球。なんか隠してあるような気がして、メロメロ部分をかきわけてかきわけて中をのぞきこみたくなる感覚。
今回は三浦さんご本人のコメントにもあるとおり、ホント「どストレート」だったんですよね。
メロドラマであり、同時多発会話はなくて、明確な主人公がいて、ストレートな話、といういわゆる三浦さんらしさから少し離れたようで、そこにあえていつもよりも増し気味な暴力シーンと性行為シーンがあって、パンツはぬいじゃって、みたいな、「ポツドール公演」というと真っ先に言われてしまいそうな要素はきっちり。
プロデュース公演後だからなのか、久しぶりの本公演だからなのか、スズナリという小さい劇場だからなのか、いや、本人の確信済みだからなのか?この変化はどうして起きたんでしょう。「覗き見感覚」ではなかったです。それから、ここのところ、作品ごとに三浦さんのSっ気が、毎回異なる誰かしらに向かっているように見えていたんだけれども、今回は、観客にも特定のキャラクターにも飛んでいないように見えました。しいていえば女優陣、かなぁ?
そういう演出の違いを感じて、前日に観たヨーロッパ企画の作品も思い出しつつ、「シフトチェンジしたなー」て感じました。
ちなみに今回、わたしの覚えている限りでは3度目の「菅原裕一」でした*5。
それから、以前に自分で書いたポツドール関係のエントリ見直してみると、ポツドールに便乗していっつも岡村ちゃんのこと書いてて笑った。いつもだ今回もだ!そして2005年9月11日に「ニセS高原から」ポツバージョン観てた。9月11日はポツドールの日(私認定)。