ゴースト ユース / 桜美林大学 パフォーミングアーツ プログラム OPAP Vol.27(作・演出 岡田利規) @ 桜美林大学プルヌスホール
岡田利規さんが桜美林大学の学生さんと作った作品。大学生という年代の作品をこれまでに書いていなかったという理由で*1新作として執筆することになったそうで。なんつかすごい贅沢な体験ですな、いまの大学ってすごいんだな。
35歳の専業主婦が20歳の頃を回想する。一言でいってしまえばこれだけの話でした。年代的にぴったりなのですんなり入っていけるような気がしました。というか、岡田さんが年齢が近いからいつもこう感じるような気がします。他の年代の人間として岡田さんの作品を観てみたい、と今回も思いました。多分、感じ方違うだろうなと思うので。
35歳の役を20歳前後の役者さんが演じて、さらにそれを「今わたしたちは20近くの見かけだけど実際は35で」と繰り返し、ときおりスクリーンに映す携帯の画面には「私たちが15年後にこういう人たちになりたいと思いますか」「こういう人たちになりたいと思っていると思いますか」的な「20歳前後の立場にたった言葉たち」が表示されてました。
それらの言葉の中では「どうせいつの間にか勝ち負けで勝手に判断してくれるんでしょう、戦ったつもりもないのに勝ちだとか負けだとか言われて、でも勝ちって言われている人だって本当に幸せなんですかね、勝ちっていってもそれは一瞬のことだと思うんです、戦わないと自動的に負けなんでしょうかね、でも戦って負けるとアレだけど戦わないで負けるんだったら自分に言い訳ができる、だって戦おうと思ってなかったしって」みたいのが印象に残りました*2。実は延々とそうだったのだとこのとき気づきましたけど、やっぱりこれって岡田さんの言葉なんだよなー、と。今の20歳前後はどうだか分からないですが、自分が20歳前後の頃に世間で「勝ち負け」って言われたところであまりそれを手元に引き寄せて実感したりしないよな、と思うので。漠然と「勝ち負けったってこれからなのさ〜」とか思ってそうといいますか。大学生、という立場の中でもひときわ人生について考えるにはお気楽なタイプの学生だったので*3。
それで実際、20歳前後の役者のみなさんはどう思っていたのですか、って聞いてみたい。
演出については最初の方はどうしてもチェルフィッチュ作品にいままで出演されてた役者さんの動きを固めになぞらえているように見えて、オカンモードに入って「ああ、がんばってる、がんばってるよ、がんばって!」ってなっていたんですが、徐々に観ているほうも緊張しなくなりました。
終わって外に出てみたら岡田さん、山縣さん、松村さん、下西さん、とチェルフィッチュ常連役者さんがずらり。楽日だったからかしら。フリータイムがどうこう、という話をされてました。岡田さんをとっつかまえて「たのむからあと一回でもいいから関東で“三月の5日間”やってください!」って頼みそうになりました。つか言ってみればよかった。千載一遇のチャンスを。
トイレにいたひよこちゃん。これゴーストユースのブログで話題になってたヤツだね。人差し指にちょこん、ってのっかりそうなサイズなので写真ぼやけてしまいました。
(追記)あっ、間違えていただいていたトラックバックを消してしまいました!ごめんなさいごめんなさい、ありがとうございます、ごめんなさい!