sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

エクス・ポナイト VOL.5 【ポ祭2009!!!テン年代まであと2日!?】 @ O-nest

●LIVE
空間現代 featuring ECD
虫博士(インセクト・タブー
ヘア・スタイリスティクス & 渋谷慶一郎

TALK
飴屋法水×松井周+佐々木敦動物化した社会、演劇化する世界」
宇多丸(佐々木士郎)×佐々木中×佐々木敦 「第一回佐々木サミット」
菊地成孔×佐々木敦ゼロ年代!からテン年代?へ」

ラストのヘア・スタイリスティクス以外を観てきました。立ちっぱなしや座りっぱなしで腰が再びヤバい雰囲気になってきてあせった。から最後までいませんでした。それでも長時間でしたが楽しかったよ!
お値打ち価格で先行発売されてたエクス・ポ第2期はじめての号、買いました。分厚い。目次見るだけでかなり読み応えあって、ちらりと見たところインタビューの充実度が素晴らしいのでしばらくムフムフ読みます。

  • 空間現代 featuring ECD

すごいかっちょよかった。特にfeaturingECDになった1曲目。ベースが文字通りベースの音とリズムをとって、ドラムがいわゆるビートではない自由な音を出している曲で。全般的にリズム隊がどうやってタイミングを合わせているのかが不思議でした。

F/T秋での、サンプル「あの人の世界」の作・演出の松井さん、「4.48サイコシス」の演出の飴屋さん。F/T参加作品と言うこともあってか、アートっぽさが強くて、内面を見つめる作品でした。さらに、私は、サンプル作品が苦手で、飴屋作品はすんなり受け入れて衝撃も受けたので、そのお二人がどんな話をしてくれるのか楽しみにしてました。今日の私のお目当てはこれだったの。

特に2作品の共通・相違点を紐解いていくような内容ではありませんでしたが(あたりまえ)、飴屋さんが「あの人の世界」を観て「これは自分が作ったんじゃないか*1」と思ったのに対して、以前サラ・ケイン作品*2を演出した松井さんは「真逆のアプローチだ*3」と思ったというところが面白かった。

飴屋さんもステキじいちゃんでした。いや、飴屋さん40代だからじいちゃんじゃないんだけどさ……*4。途中で客席で赤子がぐずりだして目立っていて、こんな場所に赤子がいるのか、と驚いていたら、飴屋さんが「泣いてたのウチの子ですかね?」て仰ってて。そうか、お父ちゃんか、と思ったり。写真と開演時に入り口に立って挨拶してくれている様子から想像していたよりも、飄々として柔らかな印象の方でした。ほら、過去の作品とか聞くと結構エグそうだから。
「サイコシス」は自殺直前の作者が書いたモノローグのようなもので、大抵少人数で上演される作品なのですが*5、飴屋さんの作品ではなんで大人数だったんですか?という質問に対する答えが「少人数だと息がつまる」だったのに笑いました。そっかー、稽古が辛いんだー。

ご本人たち曰く「出オチ」の佐々木サミット。なんかよくわかんなかった。けどつまんなくもなかった。宇多丸氏の場の緩ませ方にさすがだなーてうなる。ディケード論なんでばからしいって話と、最後に佐々木中氏が読み上げてくれた、有名作家(に限りませんでしたが)たちの有名作品を書いた年齢の話がよかった。特に後者、たとえば「ダンテが“神曲”を書いたのは40代」みたいなリストだったんですけど、なんか元気出るわ。しみた。

いい顔同盟!お歌の彼はもちろん、全員なんだろうあの顔つき。歌詞の面白さとへたっぴ演奏と顔とでどうにも楽しくなってしまいました。ひどい?「ひとりでもレーニン(0人)」にはやられたわ。

よっぱらい菊地さんがステキおしゃれさんで饒舌でたまりませんでした。好きだー!
こういうタイトルで対談相手が佐々木さんなのに、ずっと「00年代(ぜろぜろねんだい)」と言い続けていた菊地さんにさらにL・O・V・E(指で書いています)(マイコーきどり)。
テン年代」がどうのこうの言う前に、私は「ゼロ年代」という表記がむちゃくちゃ苦手なのです。しっくりくるのは「00年代」。だって、いきなりカタカナって!みんな2000年問題忘れたの?あんなにたいへんだったのに。数字からカタカナにしちゃったらもうプログラムの文字変換とかとかとか、んもう大変!と思うわけですよ。元ソフトウェア開発者としては。で、2000年代も終わろうとしている今日この頃は特に、好きな書き手さんほど「ゼロ年代」って表記を使われるのにちょっぴりがっかりしていたのです。

*1:自分は戯曲を書かないし、書けないし、書いたとしても多分まったく違うものになるんだろうけど、というエクスキューズつき

*2:「パイドラの愛」。「4.48サイコシス」もサラ・ケインの作品。

*3:自分が(脳と行動だったかな?を)ひきはがそうとするのに対して、飴屋作品は、作品の中に入っていってしまうような気がしたと。

*4:このトーク終わって休憩に入ったときに後ろの男子が「じいちゃん」「じいちゃん」「あのひといくつだ」「ネットで調べりゃ分かる」と話してて、「40代デスヨ!」て言いたくなった

*5:同時期に上演されていたダルカラVer(具体的に名前は出していませんでしたが)は、主人公と精神科医の2名だったそう。