sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ヴィオレッタ

ko-moto2014-06-01

母親が娘のヌードを撮影した1977年発売の写真集『エヴァ』の被写体だったエヴァ・イオネスコが、自らの実体験を映画化。
http://movie.walkerplus.com/mv55442/

監督が自身の記憶を浄化させるために作ったのかなぁ、というのが第一の感想。
監督が描きたかったであろう箇所がよくわかった。というかそれ以外のところがものっすごく雑だったりしました。おばあちゃんなんで死んだんやー!とかそのシド誰ー!とか。

その反面、撮影された写真の説得力たるや。ストーリー上「いかんよそれはいかんよ」と思うのだけど、実際に映し出された写真がまーーーーーーーーっ、かわいい。アナマリア・ヴァルトロメイちゃんが、まーーーーーーーーっ、かわいい*1。お母さんの態度を観ながら「ハイハイお芸術家お芸術家」と思うし、撮影に使用されるひとつひとつのアイテムは「そういうの好きねぇ」て一瞬辟易とする気分になるのだけど、写真として切り取られたとたんに「あっ」て「ハッ」てしてしまうところあった。


そういうところで、監督は母親に対して激しい嫌悪感を抱いているけれど、行動が伴ってなくてそうは見えない母親の「愛してる」も、そうなっちゃった母親の事情も、「ある程度は」理解して、心の奥底ではちょっぴり理解してて、ほんとうはうまくやっていきたかったんじゃないのかなって思ったりしました。


それで思い出したのは「こじらせ」のこと。対母親ってこじらせの中でおっきいような気がしていて。で、「こじらせ」に関してはわたしはもうちょっとご自身の中で咀嚼・消化および客観視してから表現してほしいな、と思うところがあるのです。この作品もちょっとそういうとこある。


一番最初に撮影するシーンで、ヴィオレッタが普通の記念写真撮るみたいにニコッて笑って、母親に「ああ、笑わないで」って言われるんですよね。あそこで一枚でも記念写真的なものを撮っておけば未来が変わっていたのかなぁとかも思いました。


ドニ・ラヴァンは、わたしの観たいドニ・ラヴァンじゃなかったよー!紋付袴的なの着ててかわいかったけど!

*1:映画の性質もあり、リンクとか張らないけどほんとかわいいので、とだけ書いておく