sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

シェイプ・オブ・シングス〜モノノカタチ @ 青山円形劇場

作 :ニール・ラビュート
演出:三浦大輔
出演:向井理 美波 米村亮太郎 川村ゆきえ

ko-moto2011-02-22
まず最初に。おもしろかったです。
三浦大輔が翻訳劇」。発表された時点では、「どうなることやら」とちょっと不安に感じました。
演出のみの三浦作品も翻訳劇の三浦作品もみたことがなく、ちょっぴり翻訳劇への苦手意識がありました。さらにポツドールでは今の日本の生々しい言い回しで作品を構成しているので、まず登場人物の名前からして「今の日本」ではない題材でどうなってしまうのでしょうって。

結果、どうだったか。そしてまだまだ続く公演ですのでネタバレになりそうなところはたたんだなかに書きます。



それにしてもこの作品に関しては、チケット取り協奏(競争、いや狂争)曲からはじまり、同じ回を観ていたケラさんによる物議を醸したツイートまで、もうなんだかものすごい記しておきたいことがたくさんある。ちょくちょく書き足していきたいと思います。



三浦翻訳劇を心配してしまってましたが、結果、いわゆる翻訳劇的なセリフの中に三浦節がちょくちょく現れるという印象。翻訳劇的なセリフは美波さん、ポツっぽいのはさすがの米村さんが担っていたような。「ああ翻訳劇」な箇所と、「三浦さんが演出でたしました」な箇所がけっこうぱっきり分かれていたように思います。でもキャラとして統一されているので違和感はない。


三浦さんのドS演出の矛先がむかいりファンへ。こういう客席になることを予想してわざとここまで演出したでしょ、あなた、ってくらいラブシーンが長いの。キスとか音しまくってて、「モテキ(ドラマ)を思い出したくらい」と言えばイメージしやすいかしら。円形だから向井ファンのお嬢様方がよく見えるのですが、「うっとり」をポーズにしたらこうなるんだろうなぁってくらいさまざまなうっとりぶりを見せてくれてるあのお嬢様、そしてあのお嬢様、あなた方の悲鳴が聞こえるようでございました。そして三浦さんの「こういう反応が得られることはわかってますよ、でもしてやったりな顔なんて全然見せないでこんな演出しちゃってるんですよ」という最もにくたらしい風景とか勝手に想像してくやしがってました。
その反面、ブロウジョブなシーンでもあえぎ声ひとつ発することのないむかいり。じむしょりょく……とかおもった。ちょっと聞きたかったです(おばちゃん)。


事態が急展開する発表会のシーン。壇上に発表者である美波さん、他の3名は観客としてほんとうに青山円形劇場の観客席の中の椅子に座る。当然向井氏の座る席は、登場した時から観客全員が確認する。そして劇中で美波さんが発表する内容が、劇中の発表会を観ている当事者になったとしても、向井氏演ずる役をついちらちら観たくなるような内容でして。実際、「こんなこと言われた向井氏はどんな演技をしているのだろう」と、客席にいる向井氏に視線を向けることになるんです。そこで気づくのが「あ、わたしったら観客役やっちゃった」ってこと。向井氏を観にきたお嬢様方が、向井氏を(役の上とはいえ)を陥れる一つの要因になるという、ね。ドSのドSたるドSっぷり。すきです。


役者さんは、美波さんがやっぱすごいや、な迫力でした。つっかかったりするところもなくはなかったけれど、「海外の弁の立つ気の強い女」そのものでしたよ。セリフまわしの妙もあるのでしょうが、(ディラン&キャサリンの)キャサリンにならずに、あの海外女っぷりが自然に見えるのって実は大変なんじゃないかなって思うもの。NODA・MAP以外では初めて見ましたが。満島ひかりさんと似た印象がある、着実な迫力ある女優さんなんだなぁ!てうれしくなりました。

米村さんは出てくると安心するわ、どうせ暴力ふるったりつっかかったりするんだろうなって、安心するよ!(すみません)

むかいりは、こういっちゃなんですがやっぱりきれいできれいで。最初のぶさいく描写やおでぶに見せるためのつめもの、隠しようのない頭の小ささと足の長さが際立ちまくって、時の人らしいキラッキラが漏れちゃってて、申し訳ないけど説得力なかったなぁ。いくら美波ちゃんが「あなた、よく見るときれいな顔してるわね」と言ってみても、「いまごろ……(きづいたのですカ)!!」てなっちゃうくらい、きれいさが隠しきれてなかった。数日前にブッキーが主演男優賞を受賞したときに「顔だけで中身がないみたいに思われるのを克服するために努力を……(うろ覚え)」と語っていたのを思い出しました。ここまで人気がすごいといろんなハードルあがっちゃいそうですけど、これっきりじゃなくてまた舞台に出てくれたらいいんじゃないかなー*1
そんなむかいりを、俳優さんもスタッフさんも全力で支えているんだなぁ!って思いました。あからさまにそんな様子は見せないんだけど、役のあて方からして、この舞台の成功と、今後のむかいりの舞台活動を全力で実現/サポートしよう!っていう気概が感じられました。


最後になんだかんだそれかよ、な叫び。
生であの声!生であの手!たまらん!「手を見ながら声をじっときく」。このコンボね!楽しかったです!
開演前にロビーで見つけて笑いを必死にこらえたアルフォート山。

*1:どうしても観たいやつは外してねおねがいね、という気持ちは記しておく。だって、ものすごいのだもの