あいやー、面白かった。好きな人がいっぱいからんでるからネ！って見に行ったものがハズれることが多かったもので嬉しいわぁ。席についてみたらものすごい前で、しかも真中で、意味なく緊張。パンフレットを購入しなかったし、前情報も仕入れずに行ったのですが、長塚圭史/倉持裕/千葉雅子作品は見ていて「ぽいなー」と予測していたら当たっていた。やるなー、オレ。ってそんな楽しみ方もしてみちゃったんでした。
以下思いっきりネタバレです。千秋楽だったし。
- 素晴らしい愛をもう一度（長塚圭史）
自爆テロによる被害者の遺体安置所が舞台。そこに最も早くかけつけた遺族が松尾貴史。被害者の辺見エミリは彼の妻。死んでいる妻が起き上がり、会話しているうちに夫の浮気を責める展開に。
ふふふ、ブラックなシチュエーションでちょくちょく出してくる笑いセリフ。最後はやっぱり「あらぁ〜」て黒味がかったところで〆るあたりが好きです。
- MEAT DOLL（倉持裕）
自己啓発セミナー(?)が舞台。そこで「君達の体は単なる肉人形なんだ。魂は別のところに浮遊している。魂が肉人形を操っていると考えれば恥ずかしさや悔しさなんてなくなる。これを極めると他人の肉人形も操れるようになる」といわれてセミナーを受ける。セミナーを受けた3人は、セミナー後、他人の肉人形=体を操れるようになったはいいけど、3人それぞれの魂と操る肉体が入れ替わってしまう。
これ、演じてる方がすごいなー。見てるほうも「この人がこの人（の足）を動かしてるから、今動いてるこの人ってのはつまりこの人の行動な訳で……」と急に純君になりながら見てしまいました。これも最後に「あれ？」て気づいてしまう黒いオチを提示して暗転。混沌が最後にちょっとした切なさとほんのちょっとの恐ろしさをもって終わるカンジがすごく倉持さんっぽい。
- 潜入（土田英生）
敵国に攻め入ろうとする忍びの者7名。いざ攻め入ろうとする時に「キミ達デキてるでしょ！」という全然関係なさそうな*1ツッコミから、実はみんな敵国から派遣されたスパイであることが判明していく過程がギャグオンパレードで描かれる。
もうコングさんの女装とさくっと出来あがったお決まりの消え方で笑いました。
- 危険がいっぱい（千葉雅子）
放射性物質を扱う仕事場での会話。使えない新人チャンをちゃかしまくりながら話を聞いてたらなんとも重たぁ〜いオチが出てきちゃう。
しょんぼりする元漁師の二人がナイス。人の話を聞いてないようだし、ちゃかすだけちゃかしてバカにしてんのかよ！って言いたくなるやりとりなんだけど、なんか愛があって、みんなが憎めないキャラクターで、かつ、かっちりお話としてまとまってるあたりがものすごく千葉さんっぽくて楽しかった。
- 理想の部屋（故林広志）
核シェルターの中での国要人の会話。盗聴されていることから、大事な会議はすべて男女関係の言葉に置き換えて*2行われている。無線で指示を出している時に官房長官の彼女がやってきて日頃の不満を（会議用に置き換えた言葉を使いまくって）ぶちまけ始めてしまう。
- OME ARMED FORCES（後藤ひろひと）
屋根の上で動けなくなって（爆弾を抱えているため）兵士のところに、爆発物を持ったもう一人の兵士が。助けようとしたところにまた現れるさらにもう一人の兵士……、と次々現れる兵士がどんどん動こうにも動けない状態にはまってく。
わー、面白い。トムとジェリーを楽しむような面白さとでもいいましょうか。オチの地雷のとこなんて、ホッとできそうなところできたので素直に「わー（笑）」と楽しんじゃいました。
- スポンサー（ケラリーノ・サンドロヴィッチ）
ある2時間サスペンスドラマの収録スタジオ。殺人現場のシーンを取るたびに、凶器となるものに関するスポンサーがついてしまった連絡が入って撮りなおしに継ぐ撮りなおしに。
これ、ケラさんだと思わなかったー。これまでの全部のネタが最後にがんがん盛りこまれていくところは気持ちよかったなー。昇太さんの女装＆和装がかわいすぎた。
- 第2部
いや、カーテンコール後の挨拶、ですね。久ヶ沢さんのモテっぷりを昇太さんがひがみつづけてました。あと「お足元の良い中、本日はご来場ありがとうございました！」と〆られていたのが結構好きでした。
あと、入場前のアナウンス面白かったー。「Ladies and gentleman！」から英語アナウンスが始まって、その上から日本語で「本日はご来場ありがとうございます……」とかぶさっていたんですが、気づけば英語部分も単なるイントネーションを英語風にしただけの日本語アナウンスに変貌してて。さらに普通に日本語で話してるアナウンスも面白いもんだから耳を忙しく聞きました。「携帯電話はマナーモードでも、“ん゛ー、ん゛ー、”といいますので電源をお切りください」だってさ。
