sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

長嶋有作品2連発。

ぼくは落ち着きがない

ぼくは落ち着きがない

こちら、上のエントリで書いた劇評に引用されててなんたるタイミング。
高校生活を描いた小説では珍しく「なんで知ってるの?」という身近さでした。将来とか悩みとか、いろいろあるけど、でも目の前に楽しいことでてきたらそれが楽しい。その楽しさも手放しではなくて、そりゃ悩みとかだってたまに頭をよぎったりするあの感覚。こうだ!て明確に記されていないなにげない描写の中にたくさんうなずきました。たまに()内に記述される言葉がツボでした。目の前で話していることに集中しているようなときにふとよぎるものすごく関係ない事柄が()内に記されていたりするの。
電化製品列伝

電化製品列伝

こちらは趣が異なっていて、「小説の中に登場する電化製品の描写」について長嶋さんが熱く語っているエッセイ。それだけっちゃあそれだけなのに、ぐいぐいと引き込まれて笑っちゃいました。本の読み方としてこういう明確な指針を持つ、ってこと自体あまり考えたことなかったから余計に面白かった。自分がやるなら食べ物だなー、ってそれじゃ広範囲すぎるな。


長嶋さんの作品は「泣かない女はいない」しか読んだことなくて、しかもその作品を「女子が会社でフォークリフトを運転する話」とまとめてしまうさらっとした読み方をしてしまってまして。再読するとともにまだ読んでない作品を読んでいきたい。