sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

アレグリアとは仕事はできない

アレグリアとは仕事はできない

使えないコピー機と格闘する話と、満員電車に悪態つく話。
……と書くと「愚痴小説?」て思われるかもしれないけど、要約するとこうなってしまう各々のモチーフをここまでふくらませてラストにすっきり感までもたせてしまうのがすごいなーと。

表題作では主役である女性がサポートセンターにTELをして、毎回出る女性がいて、TELを保留にされている間に「このコは機械のことなんて何にも分かってなくて、技術者であるところの男性に対して“またいつもの人が云々”と文句を言っているに違いない」と思うという*1記述があって、その昔ソフトウェア開発の仕事をやっていたときのことを思い出して凹みました。開発したわけなんでその時点で私が一番そのソフトについて知っている状態だったのですが、「あんたじゃ話にならないからもっと知ってる人だして」とかよく言われた。そして私が話したのと同じ内容を男性に話させたら、私が30分かけた対応が5分で終わっちゃったりして。自分の対応が彼よりよくなかったのかもしれないけれど、男性だとダメだったときに「自分がダメだったんだな」て素直に思えていいよね、どうしても「女だからかなー」て要素も含めて考えなきゃいけないのが本当にしんどい、と思ったものです。また自分が問い合わせる側になったときも、女性だとつい「この人ホントに分かってんのかな」と思ってしまうことがなくはないので余計に。

*1:うろ覚えで書いてます