sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

吾妻橋ダンスクロッシング @ アサヒ・アートスクエア


出演:
Line京急(山縣太一+大谷能生) 快快(faifai) 康本雅子+戌井昭人鉄割アルバトロスケット)+村上陽一(鉄割アルバトロスケット) ボクデス(小浜正寛) KENTARO DX!! おやつテーブル のびアニキ

いいたいことはたくさんあれど、とりあえず今日のところは「KENTARO DX!!」がたまらなかった、と。

(追記)

せいこうナイトで買った先行チケットが驚きの良番だったので、ゆうゆうと椅子席をゲット。例年、ステージ正面にパイプ椅子が4列ほど、サイドに雛壇2段ほど+座布団席、という構成だったように思いますが、今年は「カフェスペース」と称されたテーブル+3席ほどの椅子席と+ステージ正面/両サイドの座布団席、という構成になってました。「オールスタンディング」という記述があったので、どうなっているかと心配してましたがふたを開ければこんなカンジ。椅子で観れたから特に何も感じなかったけれど、他の位置から観た方はどう思っただろう、微妙なんじゃないかなぁ。
そんなわけでいつもよりぎゅうぎゅう感の少ない会場では、開演前におやつテーブルの方が豆菓子を配っていたり、のびアニキがブロマイドを配っていたり、快快が「快快food」というお店を開いていたり、開演後のDJタイムでKENTARO!氏が普通に踊っていたり。パフォーマーと客の距離がより近くなっている印象を受けました。元から*1「関係者」および「関係者らしきトーク」が客席で目立つタイプの公演、これが吉とでるか凶と出るかは難しいところで。私にとっては楽しい空間でした。偶然前後に並んでいた方とお話しながら過ごしていたからかもしれません。

マクドナルドのTシャツ+サングラス+ヒップホップな康本さん。わー出てきた、ふむふむ、と思っているうちに瞬く間に終わってしまいました。せいこうナイトのときみたく、オープニングアクトとしての何かがあるのかな、と待ってしまったのもあったかも。

大谷さんがMacと生サックスをあやつり、その前で山縣太一氏がいつものように(失礼)パフォーマンス。キミはホントに彼女の話が好きな……!チェルフィッチュを離れた作品での山縣太一はいつも彼女について語っているよな気がします。サンプラーの繰り返しにあわせて体が動くのは観てて楽しかったです。あと快快 野上さんの声(彼女役)が出てきてから、大谷さんのサックスが絡むあたり。
……でも正直言ってちょっと物足りないというか、もう少しまとまった形になってから観たいな、と思ってしまいました。山縣太一は複数の中で観てこそ光る、と思っているのかも。あ、でも「難しい波」の時は一人だったけどかなり面白かったものなぁ。ひとつ前に観た快快とのDJイベントで、快快メンバーと一緒にやってたパートがかなり面白かったのでそういう印象を持ってしまう&今回のパフォーマンスを観る目が厳しくなってしまったのかも。

  • 快快(faifai)「ファイファイマーチとpeter-pan」

3cmだけ浮いちゃうのん。そんで結局ダジャレなのかよ、とつっこみつつ面白かったなー。
ラスト近くにピタパンとりに行ったみたいな、ああいうつくりのもの好きです。しょっぱなのファイファイマーチ部分のフォーメーション中心のものも。つか女子のムチムチ具合がたまらんかった(オッサン)。


快快についてはこの日ひとつの事実が判明しまして。以前の公演についてよそさまに書いてあった「あの美大ノリ、サークルノリはダメな人はとことんダメ」て記述に(ホントは10個くらい連打したいキモチで)お星様をつけたわけですが。私はちょっぴりダメなんだー、だから面白いとは思うんだけど快快を手放しで「好き!」っていいにくいんだー。そして、前回の快快イベントに行ったときに「この苦手感を呼び起こさせてる原因、もしかしたらこのコだけやもしれん」と思った快快メンバーがいまして。でもなんとなーく、もしかしてそれって快快メンバーの中でも作り手のメインとしてお名前がクレジットされてるあのお方では?といやな予感がしていたんです。が、本日判明しました。やっぱりそうでした。シノダさん(書いちゃった)。本日もそうでしたが、他の人の作品観ながら誰も笑っていないところでやたら大声で笑ったり、会場内の誘導の仕方がやや強引かつ主催者側の都合を押し付けられる類のものであったり、そういうところがどうにもイヤなんです。だけど彼女が作り手としてメインの立ち居地にいるってことを考慮にいれると少しは理解できるかも…・・・。や、でもやっぱりやたら大声で笑われるのはヤだな。ただ単に本人の癖なだけかもしれないけれど。作品が好きなのに、書いてるご本人が苦手、って初めてかも。悲しい……。そしてかなり失礼なことを書いている。

康本さんと鉄割のお二人の作品は、前回の鉄割公演で演じられた40以上の演目のうちのひとつを吾妻橋用に変更してありました。鉄割公演のときに書いた*2「ラスト近くのダンスONちゃぶ台」というかなり印象に残った演目だったのですが、うーん、これはバージョン・ダウンしてしまっていませんか。確か鉄割のお二人がやっていたお芝居はそれとして初っ端に済ませて、あとは康本さんのダンスをじっくり、という構成になっていて、そしてその康本さんのダンスが素晴らしかったんです。でも今日のは、康本さんのダンスの合間合間に鉄割のお二人のパフォーマンスが入ってくるので、ダンスもパフォーマンスもお互いに牽制されて中途半端になってしまっていたように思いました。ちゃぶ台の上で飛んだり回ったりしてた康本さんがステキな作品だっただけに、始まった瞬間はいまかいまかと待ちわびてしまったので、ラストまで爆発しなかったことに不満を覚えました。

  • 休憩
  • ボクデス(小浜正寛)「ボクTube」

まさかの機材トラブルにより中断。かわいそうに……。
あらかじめ準備されていた映像とのパフォーマンスを終え、リアルタイムで舞台上を映すパフォーマンスを行おうとカメラを取り出したところで、カメラの映像がいっさい映りませんでした。ここまで徹底して話さずにきていたのに話さざるをえなくなってしまったり。
出オチのアレはそれみたことか*3とにんまりしました。トラブルになっちゃったときに、あわてるボクデスさんの顔の左っかわでモニタ画面がパタパタしていて笑っちゃいました。

  • KENTARO DX!!「nothin'」

ボクデスさんトラブルでざわついた会場。途中でトイレに立ったりするお客さんもいるので、客席内を歩く人はそれなりにいたんですが、この方が客席後方からステージに向かって出て行こうとしたとき、そしてその位置からはステージにいけないなって一度引き返して他の方向からステージにあがっていくときの立ち姿が明らかにお客さんとは異なっていてそっからしてひきつけられました。今日の公演が終了した後にDJにあわせてふらふらしているさまは(失礼かもですが)そんなに目を引くアレでもなかったので、ひとつの作品に向かうときの体つきってずいぶんと違うものだと感嘆しきり。

カーゴパンツにシャツ&Tシャツというカジュアルなスタイルで身一つ。途中で靴下脱いだりしつつ、一人でのてらいのないダンス。観ているうちに、小学生低学年くらいのちょう元気すぎてお母さんついていけないわ、こらっ、ちょっとおとなしくしてなさい、お昼寝の時間でしょ!みたいな男の子に見えてきました。ぐあーと動いて、ちょっぴりとまるところはお母さんに怒られてるんだにゃぁ〜、みたいに見えてきて。そんくらい生き生きとした、そして(体および作品として作りこまれているのは分かったうえで)自然な動きでしたよ。くるっくる回転するときにほとばしる汗が後方からのライトに照らされてまた美しかった。
つか、ごちゃごちゃ書いてみたけど、単純に元気でかわいくて面白かったのですよ。ずっと観ていたいと思ったもの。

プロフィールに書いてあった言葉をメモ。
「そうですね、デラックスか、ダンスクロッシングかといえば… とにかく踊ります」
カーテンコールでは「デラックス」と呼ばれてました。

ああ、これがウワサに聞いていたこっくりさんか……。合意の上だからいいんだろうけど、人を押さえつけて、痛がる様子を笑って撮影*4するのは観ていて気持ちのいいものではないです。この人たちの「クレイジー」って面白さと不快感のバランスがちょっと自分と会わないかも、と思う。「クレイジー」が目的となっているように見えるからかなー。クレイジーは見えちゃうものであってほしくて、あえて見せられるとゲンナリしてしまう自分の好みのせいだとは思います。もうちょっと隠して分かりにくくいやらしく見せてほしいの。

  • ボクデス(小浜正寛)「ボクTube」(やりなおし)

途中からかと思ったら最初からやりなおし。初っ端が出オチ的ネタだったのもあり、残念ながら乗り切れませんでした。やっぱ同じのを立て続けに見せられても……という意味でも中断は本当にかわいそうでした。
あと映像を使った一人パフォーマンスを観ると、「それフキコシがもうやってる」と思ってしまい、さらにフキコシクオリティが非常に高いものだから、んー、難しい!てなっちゃう。本日のリアルタイムの映像を使ったネタにしても。

  • おやつテーブル「畳がない。」

着物の老若女(男性はいない)4名のパフォーマンス。ゆったりとした動きにほのぼの。4人で輪になって袖を縫い合わせちゃうところはつい息をのんで見つめました。名前しか知らない状態で観たので、いろいろと背景を知りたい欲にかられました。
   

  • カーテンコール

のびアニキは会場直後から客席でノビ太パフォーマンスしてました。のびアニキかー、吾妻橋だもんなー、と一瞬思って「違う、観たのはSSMFだ。ヨーロッパだったじゃん*5」と気がついて急激に意外な気持に。どういうつながりで吾妻橋に呼ばれたのか。アナウンスしてなかったよね?

おやつテーブルとのびアニキのパフォーマンスはお手手をあわあわにして洗ったあとにそれをパンパン叩いて飛ばすという、言葉にするとどうなんだというものだったんだけど、かわいらしくてほほえましくてよかった。のびアニキの頭に泡がふんわりのっかっちゃってほほえましかった。

*1:Harajuku Performanceのときが最も露骨に感じましたが

*2:id:ko-moto:20080706

*3:id:ko-moto:20070701#p4

*4:会場のスクリーンに映すため

*5:http://d.hatena.ne.jp/ko-moto/20070818#p3