- 作者: 辻村深月
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/07
- メディア: 新書
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私は「許せない」という言葉をなるべく使いたくないと思っていて、それがなぜかというと「許せない」という言葉を使いたくなるシチュエーションって、既にその言葉を発する対象は「別に許してもらわなくてもいいよ」とおもっていることが多いと思うからなんです。それでも「許せない」と思ってしまったとき、自分ならどうなるんだろう?そういう意味で、ともするとたんなる禅問答になってしまって煮詰まってしまいそうな「復讐するって結局どうなれば満足なの?」をめぐった「罪とは」「罰とは」がとことん描かれていたのが興味深く、そして面白かった。子供の目を通しているから*1堅苦しく重苦しくなりすぎず。ラスト近くの「利己的な遺伝子」的な「愛とは」のパートは狙い済まされているのに違いなくてちょっぴりくやしいけど電車の中でじんわり。それから、ふみちゃんとのエピソードがどれも素敵でした。
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*1:でも考えてる内容は決して幼くない