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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

忌野清志郎 完全復活祭 @ 日本武道館


2006年7月のあのとき、「何事も人生経験と考え、この新しいブルースを楽しむような気持で治療に専念できればと思います。またいつか会いましょう。夢を忘れずに!」というコメントを残して闘病生活に入ったキヨたん。
そして

だいじょうぶ、清志郎はあの唄声と笑顔とステップで戻って来る。
少し時間がかかるかも知れないけれど....みんな待っていよう。
「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」......
そんな約束をした、その時の清志郎
瞳と、握手をかわした手の感触に、俺は不屈のSOULを確信しました。

とのコメントを寄せたチャボ。

そして、私にとっては17,8年前のRCの日比谷野音のライブ以来のキヨたんとチャボの揃ったライブ。もう大変でした。思えばキヨたんの存在はいくえみ綾の漫画で知り*1、その後、「い・け・な・い・ルージュマジック」がものすご好きだったんだけど、親が「気持ち悪い気持ち悪い」というので「好き」っていっちゃいけない気がして隠れて聞いていたり、レコード買うのに1年分くらいおこづかいためなきゃいけなかった年齢のときに発売された「Tears Of A Crown」の店頭ディスプレイをずっと見続けたり*2、まだライブに言ったりするのを禁じられていたのに「チケットとっちゃいましたから〜」と親を怒らせながらも野音に向かったり、近所のレンタルにないレコード(時代です)は学校の近くで借りればいいんだ!って大きいレンタル屋さんでレコードたくさん借りにいったり、COVERSやタイマーズでやたら社会に訴えるようになってちょっと退いてみたり、音楽サークルでやったRCバンドがえらいこと楽しかったり、2005年のSweet Love Showerで久々にキヨたんのライブに出会ってめずらしく衝動を抑えきれなくなって拳振り上げ楽しみまくって同行の友人に「スイッチ入ったのが見えた」とあきれられたり、ちっこい頃から最近まで思い出みっしり。

そんなもんだから当たり前かしら?とは思いつつ、自分では意外なほど、ずーっと涙ぼろぼろ流しながら観ていました。

最初に映し出されたスライドショー。
闘病のため丸坊主になってやつれた姿から、だんだん髪がはえてふっくらしてくる様子が鏡の前でずっと撮影していたかのように映し出され、髪の毛がつんつんしたキヨたんヘアに変わったときには会場大歓声。ねっころがったキヨたんがむっくり起き出して、画面上の吹き出しには「2年間よく寝たぜ!」。そして外に向かって歩き出す姿にかぶる「完全復活」の文字。そこで大音量とともにキヨたん登場、Jumpでオープニング。あーもーどーすればいい。

そしてチャボ登場がまた。「いい事ばかりはありゃしない」が既に奏でられてるところに下手からにじにじとすりよってくる黒服のギター。呼び込まれもせずじわーとよってきて、「カネが欲しくて働いて眠るだけ」でキヨたんと一本のマイクで歌いだして。もうなんかその図だけで感情がぶわぁってきました。「おあずけとなった今年の〜」のコメントや、キヨたんがまさに舞台上にいることや、RCの野音がなくなってからずっと観ることができてなかったこの二人の競演を目の当たりにしていることが信じられなく嬉しくてもう。「ドカドカうるさい〜」と「雨上がり〜」はチャボじゃないバージョンを何回も聞いてきたのもあって、チャボのギターがなったときに「あーやっぱこれだー!」とじんわりきました*3。その後もちょくちょく「キヨたんとチャボが同じステージにいる」ってことを確認しながらもじわっとくる、という作業を何回も繰り返しました。

「ぼくの好きな先生」「多摩蘭坂」「私立探偵」「君が僕を知ってる」と渋めRCナンバーも多くて嬉しく、その中でもちゃんと「よォーこそ」をやってくれたのもまたひとしお。あーチャボがいるよー(こればっか)。

チャボが「なんか言え」ってふられたMCで「清志を支えたスタッフに敬意を!そして最も心配して支え続けてきた彼のファミリーに」って言ったのと、ラストにタッペイくんとモモちゃん(おこさまたち)が出てきたのも心憎い演出。キヨたんも「なんて演出だ」って言ってたねぇ。メンバー全員でのお辞儀を終えてから「もう一曲やっちゃおうかな」ってひとりで「Like A Dream」を弾き語った後に、お二人が花束もって出てきて、それをにこやかに眺めるチャボ。
ああもういい!良すぎた!

そしてもう胸がいっぱいになって、この思いを何かで残したい、形にして残したい!と強く思い、入場時には信じられないほどの行列が出来てて諦めた物販に猛ダッシュ(出口に近い席だったので)。そしてパンフレットとTシャツを購入しました。Tシャツとかぜったい着ないよ、と思いつつキヨたんとチャボの2ショットがプリントされてるってだけで即買い。パンフレットはウチに帰ってから観てみたらホント、買ってよかった!てないようでした。キヨたんとチャボがRC含めたこれまでの歴史を語っていて、RCにはちょこちょこ色んなところで出会ってたりするので、あの頃はこういう時期だったのか〜、って改めてわかって興味深かったです。

*1:だからついキヨたん呼びなわけです

*2:当時は試聴なんてできやしなかったの

*3:つか、多分こういうファン向けなんでしょうな、キヨたんもチャボもものすごく三宅さんに気ぃ使ってるなあ、って思いました。バンマスが三宅さんであることを強調したり、チャボも選曲は三宅さんと話し合って決めたと言ってたり。