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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

矢野顕子リサイタル @ ヤマハホール

3月末に新しくなったヤマハホール、おそらくそのニューオープンがらみで設定されたのでしょう、来週から始まる「音楽堂」ツアーの前に単独で設定された矢野顕子リサイタルに行ってきました。

ツアーに含まれる公演ではないんですが、これからの公演を観る方にはネタばれになってしまうかもしれないので、念のためたたんでおきます。


新しいヤマハに到着し、「ヤマハホールには直通のエレベータがございます」と案内されたエレベータのどでかさ(さらに木目調で荘厳なの)に口ぽかんとしながらエントランスの7Fに到着。お上品なスーツ姿の女性スタッフさんがたっくさんいて、「1階席は8Fです」と案内してくれます。ふっかふかの階段を1Fぶんにしてはずいぶん上ったところでホール到着。思っていたよりこじんまりとしていた会場は、吹きぬけがそれはもう高くって、いろいろ納得。そして、今日はなんと最前列ド真中という2度とないだろ、ってほどの席で。実際に座ってみて、あまりの近さに落ち着かなくって意味なく一度トイレに行ってみたりしました。

弾き語り公演。今日のアッコちゃんは、もうなんというか、ご本人がものすごく楽しそう&気持ちよさそうで。16歳のときに初めてヤマハホールのステージに立ったというアッコちゃんはその思い出を語るとともにすっかりリラックスしてしまったらしくて、下でもらってきたというピアノのカタログをながめて値段チェックしたりしてました。後半には「1400万円の最高級グランドピアノのカバーの値段あて」を客席と行うシーンもあったり。
アッコちゃんが高校生時代の話をするのを聞くのがすごく好きなー。そのお話をしながら、最初はひとつひとつの音を確かめるように弾いていてこれがまた。本日の調律をした方はアッコちゃんの同級生だそうです*1

今日とくに印象に残った曲についてちょろっと書いときます。

  • 忌野清志郎の新曲をやります」と奏でられ始めたのが、つい最近リリースされた80年代のキヨたん音源に収録されてる「恩赦」。それにつづいて途切れなくなだれこんだのが「きよしちゃん」。最初の「きよしちゃん♪」の後に「こんなにいい曲隠してたなんて!」て言うんだよ。
  • GREENFIELDS。「昔はそこらに穴があって私もよく落ちたものよ」。今日は4つ打ちリズムを強調したシンプルな、つってもアッコちゃんだからシンプルなはずもなく、シンプルっぽくみせたアレンジでした。
  • 本日のラーメンは、一口食べ始めたら、あれ、なんか長いなこの麺、あれまだつながってるあれあれあれ?て不思議な思いで食べてたら、結局一本の麺だけでできてたの、ごちそうさまっ、ジャン♪ですぱっと終わる、そんなラーメン。怒涛の変拍子の居心地の悪さがすぐ極上の座り心地に変わってったのです。変拍子っていっても、アクセントの置き場を変えてるやりかたで、クリムゾン的なアレではなく。足で軽くリズムをとりながら聴いてたら、シンコペーションだらけの複雑にきこえるリズムがシンプルなカウントにがっつりあってきて、えらいこと気持ち良かった。演奏直前に「なんでも一番新しいものを一番新しいときに売るということが、当り前ではあるんですが、でも、音楽については違います。もちろん一週間もしないうちにいなくなっちゃうような曲もあるんだけど。さっきの「恩赦」だって80年代の曲だけど、色褪せないでしょう?」「では、こちらも決して色褪せない曲をやります」てお話しして始まったんですよ、もう、すごいよ。

*1:あ、その話から「この歳になると、同級生もそれなりのお偉いさんになってて、このシリーズも彼がデザインしたらしい」とカタログがでてきたんだった。