sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

愛するおばあちゃん

祖母が他界しました。


ウチは親戚づきあいをほとんどしない家庭なのですが、大学のときに祖母の実家が大学に近く、ちょうど従姉が結婚したのでその部屋にすべりこませてもらって2年間ほど同居していました。ほんの2年間だったけど一緒に過ごしてよかったなとしみじみ思ってます。おばあちゃんレシピを教えてもらったり、一緒にケーキを食べたり、部屋に虫が舞い込んできたときには力強く退治してもらったりしたなぁ。


晩年は認知症のため、お世話になっているホームに訪ねていっても私のことは分からなくなっていました。会話の中に私の名前が出てくると反応するらしいのですが、実際に会いに行くと顔も分からないし「孫」という概念自体が分からなくなっている状態で。そんな中、夫と自分の母親の介護を続けてきた母が倒れたことがありました。母自身も治療を受けながらホームに通っていた時期は、送迎できるときは車で送っていき、たまに祖母と顔を合わせたりしていました。その時期の祖母は話しかけても放心しているときがものすごく多かったのですが、あるとき急にしゃんとした顔つきになって、母の方を向いて「(手をばたばた振り回しながら)あんまりこうしちゃいけないよ。自分を大事にしなさい」と言ったのです。倒れたことは一言も告げていなかったのに。


私の初めての猫は祖母宅の猫でした。認知症が始まる前にはしょっちゅう「私がいなくなったらこの子をどうしよう」と言っていました。そんな猫は昨年、叔母のうちで静かになくなりました。祖母はその猫の代わりにいつも猫のぬいぐるみをかかえてかわいがっていました。その猫を抱えてお花に囲まれて荼毘にふされていきました。強くてめちゃくちゃかわいい人だった祖母の顔は、とても穏やかで綺麗でした。非常に高齢でしたので、心から「お疲れさまでした」「ありがとう」を告げながら見送ってきました。