sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

菊地成孔コンサート2008 @ オーチャードホール

菊地成孔 ダブ・セクステット
菊地成孔 Tenor Sax
鈴木正人 Bass
類家心平 Trumpet
本多珠也 Drums
坪口昌恭 Piano,Kaoss Pad
パードン木村 Real Time Dub Effects

はじめてのオーチャードホールBunkamuraにあるのよね?なんていいながら到着。しょっちゅうコクーンに行ってるし、ル・シネマもよく行ってるのに全然わかってなかったです。コクーンからちろりと見上げるとこんな世界が繰り広げられていたとは。

とーにかくみなさまのドレストアップぶりが素晴らしくて、会社帰りだけに普段着ワンピースだった私は最初ばかりは「やっちまってる……?」と思ったものの、ステキ男女が目の前でグラスを傾けているそのさまにもう夢中。ステキなドレスがたくさんだ!うわーい!おひとり、私が「鈴木京香が着ていそうなドレス」と称するドレスをキレイに着こなしていらっしゃる、それはもうステキなお嬢様がいらっしゃって。っかー!まいった!肩をびゃーんと出した黒のロングドレス。はふーん(恍惚のためいき)。

そんなステキ雰囲気についつい飲みたくなって、菊地さんセレクトというシャンペインを飲んでしまいました。「フェッラーリ・スプマンテ・ペルレ・トレント・メトッド・クラシッコ」だそうです。覚えられないどころか一度も発音できない。これがとってもおいしくて、このテのお酒は後が怖い、と知りながらもくいくいいただきました。もう目も口も開演前から大満足。

そして案の定、始まってしばらくしてから「……寝てた!?」て気付くほどの居眠りをかましました。気持よくてねー。ほやほやとした意識の中でやたらソリッドかつエキサイティングな演奏が鳴っていて、ひどい聴き方と知りつつも心地のよさはかなりのものでした。本編ラストのダヴな音がぎゃんぎゃん鳴り響く中、一人二人とステージから去っていって、ちょっとロックっぽい意外なドラムソロが終わったところでステージ上には一人もいなくなり、音だけが反響していたのがものすごくかっこよかった。ライティングの効果もあって、ステージ上の楽器が一枚の絵のように浮かんでみえて。

万年筆はパーカーもモンブランもどっちも好きなんだけど、ジャズマンとしてはパーカーなんですって。なっとく。バンドのみなさまのスーツもスリムでシンプルな黒スーツ。どなたもものすごくキレイなラインでしたが、オーダーメイドなのかしら。スーツはCOOL STRUTTIN'のものだそう。昼のものすごい夕立を眺めて「やんでくれることを願っておりました。みなさまの素敵なお召し物をぬらしてはいけないと」ですって。もう。キザっちくてクレバーなのになんかぬけててかわいいところがたまらないです。

……音楽の感想がほとんどなくてごめんなさい。もしかしたら師走にして今年初めてかもしれないくらいの心地よさだったのです。言葉になんかしてやんない(できない)。