sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

マームと誰かさん よにんめ 穂村弘さん(歌人)とジプシー @ VACANT

出演:青柳いづみ

……、はい。
違うんです、違うのはわかっているんですよ。だけど、「リーディング公演を観に来たつもりじゃなかった」と思ってしまいました。
わたしが穂村さん作品を手に取ったことがないからかもしれません。知っているテキストであれば、「あれとあれをこう組み合わせるのかー、つなげられるもんだねー」とか思うことができたのかもしれません。

いきなりこの作品を観たわたしは、言葉メインで扱う方との「誰かさん」だったからでしょうか、パフォーマンスが言葉に縛られて制限される方向に行ってしまっているような、どこか不自由な印象を受けてしまったのです。

青柳さんのラスト近くのあの海辺に足をつけて戻ってくるパフォーマンスが象徴的なように、穂村さんのテキストと藤田さんの演出が独立してしまっているというか、どこかばらばらというか。まじりあって別の新しいものが生まれているようには見えませんでした。そしてわたしはそういう作品を期待してしまっていたのだと思います。