ずうっと流れ続けるGOMA & THE JUNGLE RHYTHM SECTIONの音。
2011年(復活後)のライブが「現在よりちょっと過去」、そして「事故前から現在まで」のGOMAさんのライブと生活を映し出すスクリーン。3Dで見ると、「現在よりちょっと過去」が目の前に、遠くに「事故前から現在まで」が見えます。ときどき点滅するように実写映像からアニメーションになる「事故と事故後」。フラッシュバック。迫り来るようなテキストでつづられるGOMAさんと奥さんの日記。遠くにかわいいお子。
曲間だけ、映像の中の事故前のGOMAさんの話し声が流れたりするけど、基本はGOMA & THE JUNGLE RHYTHM SECTIONの音が爆音でなっていました。
2008年朝霧JAM、それからトリエンナーレ。あのトリエンナーレでGOMAさんのイベントには行かなかったけれど、会場となっていたあのオブジェの中には入っていた。立て続けにきたこのシーンで急に「自分」とか「いま」につながったように思いました。ちょっと「鈍獣」も思い出したりして*1。
わたしは正直GOMAさんの音楽はそんなに好みではないと思っていて、2008年の朝霧でライブをちょこっと見たときもピンときていませんでした。去年(2012年)の朝霧にも登場していたけど、ごはん購入してテントへの道すがらに聴いてみてる、という接し方で。ただ去年の朝霧はオーディエンスの盛り上がりがすごかったのですよね。椅子がぼこぼこ並べられてる後方のエリアまで人があふれて、朝霧お得意の布的なものが先についた何かをぐるぐる回している人もそれができないくらいに後ろのほうまでみんながみんな踊ったり跳ねたりしていて。朝霧10年間でも珍しい光景だこれは、と思って目を見張りながら見ていたのです*2。
そしてこないだのモテキナイツ。しょっぱなの登場で、朝霧に比べるとおとなしいフロアにビンビン響く音がやけに気持ちよくて、体調もテンションも低めだったわたしがたちまち浮上しました。
そんな経緯もあって、当時はピンときてなかったくせに、2008年の朝霧ライブが映し出されたときにわたしはものすごく興奮してた。興奮してグググっときてしまってた。
わたしが見た回はGOMAさんのトークがあった回でした。その帰り道でつぶやきとして残しておいた内容をここにメモしておきます。メモや録音をしていたわけではないので、わたしが聞いたわたしの解釈によるところが大きいです。厳密にはぜんぜん違う可能性があります。
GOMAさん、この映画を撮る話があったときに悩んだと。誰も知ってる人がいないところに移住して、家族くらいの小さなコミュニティで生きていくことと、すべてを(映画で)さらけ出して映像の中のように笑って生きていくことと。どちらにしても最後には死んでいくということは変わらない。(続く)
(続き)ならば、笑おうと。事故後しばらくは事故前にできたことが全てできるようになりたいとそればかり考えていた。今話しているこの人に次に会った時、自分から挨拶できるだろうかと考えていた。この映画でさらけ出して知ってもらって、元どおりじゃなくてもいいと思い始めている。(続く)
(続き)映画を撮って、そのフィードバックをもらって、事故前よりも成長できるのではと考えた。そのフィードバックは公開されたいまももらっている。映画を作ってくれたことにも観てくれたみなさんにも感謝の気持ちしかない。
今日のこのトークのことだって覚えていられるか、なんですよね。お子様へ自転車をプレゼントした日の日記には胸をうたれてしまいました。
それから、映像について。こんな3Dの使い方があったんだなぁ。3D映画をやるひとはみんな「目の前にあるような臨場感のある映像」だけがほしいのかと思ってた*3。レイヤとして使う。すごい。
「ものの見せ方」として、こういう発想の切り替えができるということ自体に感心……ていうとなんかえらそうですけど、見習いたいものだと思いました。見せ方だいじだよな。あとこういう説得力のあるかたちで新しいやり方を提示するってのがまーーーーかっこいい。映像に映し出されているライブ映像だけでも説得力のあるものでしたしね。
(映像メモ)