sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

LOOPER/ルーパー


いろいろおもてたんと違ったけどおもしろかった。


ネタバレ観ないほうが確実に面白い映画だと思うのでたたみますよ、たたんだ中にはネタバレしかないです。


えっと、まずはシネマハスラーをお聞きいただけるとちょう楽しいよ!(いきなり他人任せ)

http://www.tbsradio.jp/utamaru/cinema/index.html (2013年1月19日分)

ターミネーター観たことないんだよな……。
というくらい、SFとかタイムトラベルとか詳しくないのですが。

わたしが1番気になったのは「記憶」がなかったことにされている点です。
30年後のジョー(オールド・ジョー)には、30年前に、30年前の自分(ヤング・ジョー)がとった行動を知ってるはずなのに、それがまったくなかったことにされたまま終わってしまった*1のにアレアレアレ?でした。
体にメッセージをきりつけて30年後の自分にメッセージを送ったりして、ハード的には30年前の自分の行動が30年後の自分に現れるんだけど、記憶というソフト面ではそういう話が一切されていなかったような。そういうシーンあったのに見落としちゃったんでしょうか。そういえば、「タイムトラベルしちゃった間の記憶だけを消す消去剤を撒く」みたいなエピソードあったな……、て一瞬思ったけど、それちがう、それは「月とスイートスポット / ヨーロッパ企画」。ハード面でも、30年前に自分の体にメッセージを刻み込んだなら、ジョーは30年間メッセージを体に持っていたハズだから、書き換えられた過去がリアルタイムで未来に反映されるの、記憶もそうなの、ってことなんだろうなーとは予測するんですけど、それだったら「30年前の自分はこうしたんだよ」みたいなシーンがちょろっとでも入ってればいいのになー。
まあ、「タイムトラベルの話は複雑だからしたくない」にその辺も含まれてるんでしょう、あっはっは。


この「複雑だからしたくない」が象徴的なように、手続きを踏みながらシーンをばっつんばっつん区切って進んでいく映画だなーと思いました。
「コインうかせる人たちがいるんですよ、わかりましたね、はい次」
「ルーパーは30年後の自分を見逃したらこうなっちゃうんですよ、わかりましたね、はい次」
「30年前の体が変わったら30年後も変わっちゃうんですよ、わかりましたね、はい次」
というかんじ。説明が終わったらそれ以上のことは説明しませんよ、という割り切り。
そうみると、それまでの疑問は「ま、いっか、そういう設定ですものね」ですんじゃって、いきなり超能力な話になっちゃってもすんなり理解できるなー*2
そんなふうに、割り切って単純につらつらーと観るのが楽しい映画なような気がします。「いいんだよ細かいことは!*3」というテンションで。なにせ「複雑な話はしたくない」映画なんだから!


シネマハスラーでも言われてた、「わたし、欲っちゃったワ」なベッドシーン直前、さいこうに面白かったです。なんだあれ。あのカエル型ブザー*4うちにちょうだい!

*1:というか話がサイキックな方に変わっちゃった

*2:超能力な展開なくしてパラドックス中心でもっと観たかったという気持ちがあるわけです

*3:複雑だからしたくない、の後にさらにかぶせられるこの台詞

*4:押すとジョセフ・ゴードン=レヴィットが部屋を訪ねてくる