sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ブラック・タイ / リミニ・プロトコル @ 横浜芸術劇場 大スタジオ

韓国で生まれ、0歳で養子となってドイツで育った女性の、独白という形式をとった作品でした。

語り手の女性は非常にたくましかった。自分では想像もできない状況の中、それでも「あたりまえかもな」と思える感情を持ちながらも、冷静に、ときには突き放すように周囲の人間を観ている。途中に登場する女性との対比(対立ではなく)が上手かった。最初に見た目的には似ている二人として登場して、その後の違いが鮮やかに見えて。正直自分が何を感じたらいいのかよく分からなかった*1。そしてそういう「分からない自分」を軽くコンコンてノックされている気がした。

「ブラック・タイ(Black Tie=黒いネクタイ)」は英語(?)で、パーティに正装=タキシードで来てね、という意味だそう。言葉とその言葉が表す物事が異なることを示している。中国で生まれた彼女がドイツで育ち英語でこの公演をしている。

アフタートークありの回。でも作品だけ観て、かみしめながら帰ればよかったと思った。

手に嵌めた手袋をかざすと映像が操作できるデバイスを使ってたのが印象的。

*1:語り手の語る内容はよく整理されていてよく分かりました