sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

This Is It

ko-moto2009-11-07
Michael Jacksonの次回ツアーとなるはずだった「THIS IS IT」ツアーのリハーサルをおさめた映画。もうもうもう!素晴らしくって興奮しまくりました。みんなこぞって観にいけばいい!「マイコーなんてだいっきらい!」て人以外は観にいけばいいよ、「マイコー聴いたことない」とか「ゴシップでしかしらない」って人なんて特に。


ネタバレしかしてない内容を以下に書きますよ。たたまないので観てない方は逃げてください!





すさまじいまでのプロフェッショナルの仕事をみせてもらいました。
こういう「ショウ」は全てそうなのかもしれないけれど、これはかんっぜんにマイコーはプロジェクトリーダーじゃないか、って思った。なんでもビジネスに結びつけるのは、なんでも政治に結び付けて話すみたいにつまんねーなーって思うんだけど、ライブリハーサルそのものの映像以上に、一大プロジェクトを成功させるために邁進する人々を気持ちよく見せてもらったように思います。


ワイドショーでもよく見た、ツアー決定時の会見で「あなたたちの観たいショーをやる」と宣言していた通り、マイコーの観客を喜ばせることを最優先にする姿勢にブレがない。キーボードに対して「もっとシンプルに、CDと同じような、みんなが期待するこの曲の音を」というシーン。引き算を要求できるのって、ミュージシャンに限らず、経験を積めば積むほど理屈で分かっていてもなかなか実行できないことであるからまずそこに感嘆。そして、要求の元になっているのが「観客が聴きたい音」が基準になっているところにさらに感嘆。
「観客の方に向いていたいんだ」のシーンもしびれた。スクリーン上の映像*1をきっかけにキューを出さなければいけないところで、前を向いちゃってきっかけ分かる?て聞かれたマイコーが「感じるから大丈夫」ていうの!うーーーー!


作中でも「完璧主義」と言われているけど、本当にひとつひとつのプレイ、動き、タイミング、全てに対して緻密。もうなんかポツもチェルもきっとこれにはかなうまいよ、と筋違いの感想を(しかも実態を知らないから想像だけで)吐く始末。スタッフに対して「今のは違う、こう変えて」って要求するときに、必ず一度「ここはいいんだけど」って一度褒めたり、自分のせいでこういう要求をしてるんだよって理由を明確にしたりしてるの。これ見習いたいぜー。おそらく、自分の発したネガティブともとられかねない言葉が、相手にとってどれほどの影響力があるかを身をもって知っているからなんだろうなぁ、とそのスーパースターとしての人生を想像してみたりもしました。
そして、I Want You Backで声の返しがよく聞こえないとき、自分が耳に入れるタイプのモニタになれていないことを説明したうえで、「怒ってないよ、これは愛だ、エルオーヴイイー(て手で書きながら言う)」にはずっきゅんきました。LOVEがずっきゅんきました!それぞれのプレイヤーに対しても「ここが君の見せ場だ、さあ!」て、逆にマイコーの「見せ場だ」アピールの方がビンビンでさぁ。


そしてステージングは単純にあのスリラーのダンスを踊るマイコーに感動。こういうステージングをするのにどれだけのブランクがあったのかは分かりませんが*2、それなりにあったハズのブランkをひとっつも感じさせない歌とパフォーマンスを眺めていたら、「このひとはモンスターだ」って思いました。もうジーニアスって言葉だけじゃ足りない。ジーニアスの上をいくジーニアスだよ。リハーサル映像でこれだもの。90年代以降、ゴシップばっかりで「もういいからマイコーに音楽活動させてやってよ!」と憤っていた私ですが、そして「そんなことやってる間にいなくなっちゃったじゃないか!」てさらに憤慨&落胆していた私ですが、残念ながら最後とはいえ、そして未完とはいえ、このような形で新しい作品を観ることができたことは素直に嬉しい*3。まさに「This is it」。
出番ではないダンサーさんたちが観客としてノリノリなのもほんっとよかったよね。のせられて本気で歌っちゃうマイコーといい。最初にダンサーさんたちの観客としてのキラキラした顔が映し出されたとき、えらいことぐっときてしまってびっくりした。


今までマイコーはその作品にしか触れたことがなかったから、こういう裏舞台でのマイコーを観ることができて本当に良かった。ライブで使う映像撮影現場でスリラーのゾンビたちの演技をモニタで観ながら「いいねいいね」ってチュッパチャップスちゅばちゅばしてたよ!そういうのも含めて、いままであんまり感じることができなかった「人間・マイケルジャクソン」を堪能しました。ものっすごいプロフェッショナルっぷりと、素晴らしい人間くささを見せてもらいました。


ちなみに川崎のIMAXシアターで観ました。どでかいスクリーンで目の前はマイコーワールド。倍の金額*4払ってでもこっちで観てよかった。リバイバル上映されてる「Moon Walker」、「This Is It」の半券持ってくと1000円で観れるそう。行こう。

*1:Smooth Criminalのノワールな感じの映像

*2:アルバムだけだと少なくとも15年以上は新譜リリースがなかったと思うけど、先日NHKで放送された「デビュー30周年ライブ」は2001年に行われていました。

*3:もちろん、すっきり「嬉しい!」だけではないけれど。

*4:映画を「1000円で観るもの」と思いすぎです。IMAXはサービスデーなど関係なく、2000円。