sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

印獣 @ パルコ劇場

ko-moto2009-10-25

作:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:三田佳子 生瀬勝久 池田成志 古田新太 岡田義徳 上地春奈

鈍獣につづく、ねずみの三銃士第2段。三銃士づいている今日このごろですね*1。とってもおもしろかったです、三田祭。いやぁ、ホントに三田祭。正直「ねずみの三銃士メインで観たかったんだぜ……」とは思いました。でもはっと気づけば、三田祭になっちゃってるのは作り手側だけじゃなくて、観ているこっちもだろうと。三田祭として提供されているものを、穿って観ようとしたところで、やっぱり自らすすんで三田祭として観てしまっていた、それが三田さまのオーラだったのでしょう。さすがです。さすが優れた女と書いて女優です。

鈍獣とタイトルが似ているけれど?と思っていたら、やはりちょっぴり謎につつまれたこういう話だったのですね。パズルのピースがはまってくよに徐々に明らかになってくるあれこれ。広げた風呂敷が完全にたたまれることなかったよに見えましたが*2、もうそれはそれでいっか!てなりました。あえて地下室に軟禁だなんて、んもう、宮藤さんったらいけず……!
そして、タイトルもストーリーの傾向も似ていて、作・演コンビも劇場もおんなじだし、どうしても比べてしまう「鈍獣」。正直、鈍獣の方が好き。あの作品には伏線がかっちりとはまる気持ちよさと、ラストに向けての疾走感がありましたし、やっぱり「三銃士」の三名がどう見てもメインだったですし。ああ、もっかい鈍獣みたくなってきた(not映画版)。あれから5年もたっているのですねぇ、驚愕。



以下、まとまりのない雑感。たたみます。

  • 観ながらずっと「Wの悲劇」とかちょっと思いだしてました。顔ぶたないで!……もうこのあたりからして大女優様にしてやられちゃってんだろうな。
  • とかいいつつ正直「大女優様オーラ」以外の三田さまの演技自体には、思い入れがないっていうのもあってそんなにピンとこなかったのです。間の取り方とか、微妙にずっと見得を切っている*3あたりに、私が慣れていないだけなんでしょう。
  • 三田さんのパンツをおろさせるだなんて、宮藤……*4恐ろしい子
  • 「お前ごときが“さん”づけするなー!」ごめんなさいごめんなさい。宮藤さん呼ばわりしててごめんなさいごめんなさい。
  • 上地さんって知らないのですが、お笑いの方なのですか?沖縄好きだねぇ、宮藤さん、と常々思っていたけど真打登場!てな本格沖縄語。「かもめ」のとこで放たれた「黒澤映画?白黒で貧乏くさいよね」が尾を引いております。
  • 生瀬さんがいいところで、うっちー岡田に向かって「岡田ぁ!」て思いっきりお叫びになられました。生瀬さん、いまそのひと児島……!ほんの一瞬舞台上の空気がとまったよに見えました。見えただけかもしれませんが。観てるこっちの空気が勝手に止まっただけで。
  • つか、生瀬さんは今回も「オレ、飛竜ちゃうやろ」て言い続けてたら面白いなぁ*5

*1:といいつつ録画してる人形劇を観れないままだったりするけどさ……。

*2:ひろこさんが書かれている疑問はそりゃもうごもっとも!て思う。わかんなかったですよね。http://d.hatena.ne.jp/hiloco/20091026/1256530878

*3:セリフをいうときに客席の方に顔が向いたり、客席に向かって奇麗な姿勢でセリフを発せられてたり

*4:おもわずよびすてだ、このやろう。

*5:鈍獣」のとき、三人が三人とも脚本を読んだときに「自分はこの役だろう」と想像したキャストと違っていたそうで、生瀬さんは公演後半の大阪ですら「オレ、岡本ちゃうやろ」って言い続けていたとのこと。