sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

て / ハイバイ @ 東京芸術劇場 小ホール1

作・演出: 岩井秀人

出演:菅原永二猫のホテル) 金子岳憲(ハイバイ) 永井若葉(ハイバイ) 坂口辰平(ハイバイ) 吉田亮 青山麻紀子(boku-makuhari) 上田遥 町田水城(はえぎわ) 平原テツ 用松亮 大塚秀記 猪股俊明

いやー、よかった!どこをみても絶賛コメントばっかりだったので逆にちょっと心配になっちゃってたりしたんですが、杞憂でした。素晴らしい。初演を見逃していたのでようやく観ることができて嬉しい。

私はつい先日、認知症だった祖母を亡くしたばかりで、しかも問題児(児じゃないか)の親戚がいたりするものだから、そこここのシーンでお腹の底のほうにぐっとくるものがありました。全く同じではないけれど、そんなこと確かにありました。おばあちゃん本人にも、親戚の間にも。それももう過去のことになってしまったんだなぁと。

そして自分は断然、金子さん演ずる弟の立場にいると思った。自分の目で見えることだけに脊髄反射で反応し、直球で判断/反応してしまう。目の前に現れた他人の行動がなぜそうなのかを「なんでそうなんだよ」としかとらえられなくていらだってしまう。この作品みたいにその裏にある色んな人の立場や感情を見せてもらっちゃうと、つくづく自分の浅はかさにがっかりしてしまう。多分、今この瞬間にもそういう浅はかなことをやらかしちゃってるんだろうなぁ。

うまく書けないけれど、かなり高揚しました。その証拠にこれまでハイバイ公演に行く度にぐっとがまんしていたDVDを購入してしまいました。「て」初演と「オムニ出す」。買って電車に乗ってから、そういえば前から欲しくてしょうがなかったのは「ヒッキー」と「ポンポン」だったじゃん!とか思い出しました。判断力をも奪われた!や、でも初演は買ってよかったよね、今から観ちゃいそうな勢いだもの。