sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

色即ぜねれいしょん

ko-moto2009-08-15
面白かったぞー!多分ちょっぴり苦笑したりしちゃうんだろな、なんて斜に構えた姿勢で観にいったんですが、かなりの勢いで楽しんじゃいました。青春、恥ずかしい!もどかしい!舞台挨拶でみうらさんもおっしゃってましたが、ホントに原作超えたわ、と思った。アイデン&ティティより好みでした。

ヤンキーにも優等生にもなりきれない中途半端な自分が、旅に出てちょっと変わる。ほんのちょっと自分の力で進み始める。みっともなくてもどかしくて、でも爽快。
それまでに感じていた青春のもやもやでさえ、「閉塞感」と呼ぶまでに至らないというあのカンジ。そしてそのもやもやをすっきりクリアするまで行かないまでも、一歩踏み出した手ごたえを感じたときのあの喜び。文科系vsヤンキーの分かりやすい対比で描かれているけれど、多かれ少なかれ、解決*1へ自ら向かうことができた喜びってあったよな、と思う。それは多分、今の大人になってしまった自分がやるよりもずっとずっと心にびんびんに響く大事なものだ。夏が苦手な私ですが、これはもう夏ならでは!と胸を熱くしましたよ。


とにかくこの作品ですごいのは主役の彼。表情が、笑顔が、たまんなかった。そのもどかしさやまっすぐさを見つめ続けるのに努力が必要なほどのきらめきでした。座席の上で何度も何度もイーッてなって足元もぞもぞさせてしまった。このきらめきって初出演・初主演であるからこそじゃないのかな。どこか刹那的なところも含めて、攻撃的なまでの魅力がありました。すごくよい現場だったんだろうな。
あとオリーブ役の臼田あさ美さんがかわいすぎてかわいすぎてまいりました。なんだあの生物。画面に映し出されると彼女のくちびるにロックオンでした。


個人的には豪華キャストなこの映画。
しょっぱなからあの人が。しょっぱなだけあの人が。笑っちゃいかん。
懸案の(?)ヒッピー岸田は想像していたよりもだいじょうぶでした。うっかりオトコマエに見えた。音楽を人に聞かせることについての発言に説得力があったのもヒッピー岸田だったからだと思います。……とかいいつつ終始「なにやってんだ岸田」とにやにや笑いしてましたけどね!好きだ!
そしてミネタ。ダイブシーン、その直前のセリフ*2の熱をそのまま行動に移しちゃったようなものすごい勢い。「本領発揮!」とか思って心の中で大拍手。あと砂浜にいるシーンがあって、数日前に録画した一輝ング出演のスタジオパークを観ていたもので笑っちゃった。一輝ングは今まで恋愛ドラマ/映画でのオファーがないそうで、「いつでも砂浜を駆ける準備はある」って言っていたんですよね。一輝ング、ひげもじゃミネタに先越されてるじゃん!とか思って。すごく映画と関係ないところですね。


日舞台挨拶つきの回に観に行きました。思い出せる内容をメモしましたが、正確ではない記述ですし、長いのでたたんでおきます。

登壇者:田口トモロヲ(監督)、みうらじゅん(原作)、渡辺大知、峯田和伸リリー・フランキー臼田あさ美石橋杏奈森岡龍(敬称略)。

  • トモロヲ:ものすごい事件がたくさん起きてる中、ご来場ありがとうございます。マンモスうれピーです(MJから「まだその言葉使えてよかったね、今日までに大きな事件なくてよかったね、とのつっこみあり)(この後にも「この映画は麻薬撲滅映画です」「ダメ!ゼッタイ!」とかそれ系の悪ノリがありまくり)
  • MJ:ヤンキーにも優等生にもなりきれなかったグレーゾーンな青春を描いてる。そういう実は大多数な人たちを描いた作品っていままでなくて。だからここにいるみなさんは仲間ですよ。この中にやりまくりの高校生活をおくった人はいないでしょ?
  • トモロヲ:ここに来ている方は童貞、処女精神をキープオンされている方だと思います。みんな仲間ですからね。
  • 峯田:原作読んで「これ映画になればいいのになー」と思っていたら映画になるって聞いて、さらに出演してって依頼までされて僕は幸せです。ほんとに。ミネタはホントにずっと「幸せ」「幸せ」言ってた。つか、帰ってから制作発表会見の映像観てみたら、ここでも同じこと言ってるね。
  • リリー:芸能界でも学生時代も先輩だったみうらさんを「じゅん」呼ばわりする日が来るとは。
  • 臼田:キャンプファイヤーのシーンの前に、あの場所で峯田さんと渡辺くんが練習していて、私もギターを持って教えてもらったのがいい思い出。
  • 石橋:京都弁は、全てのセリフを京都弁で発音して録音したものをいただいたので、それを参考に練習しました。
  • 森岡:去年の今頃、森田くん*3が本当に文化祭でギター弾きたいから教えてくれって言ってきて、教えてやって文化祭でやったらしんですけど、どうやら今年も出るらしくってまた同じことを頼まれました。あいつ1年まったくギター触ってない。(渡辺:オレんとこにも耳コピしてくれーって言ってきたよ)

本日これなかった堀ちえみ岸田繁両氏からの電報も読まれました。ちょうど1年前に撮影したことと、公開に際してのお祝いコメントが主な内容で。岸田氏は初めての映画出演にあたって、スタッフの方に対してあつく謝辞を述べた後、音楽好きの役であったためやりやすかったことなど、思い出をつづりつつさらにお礼を述べてました。岸田氏だいすきな私ですが「長いよ、岸田……」てつぶやきました。

それと、石橋さんが最初にしゃべろうとした瞬間に上手前方から野太い「あんなー!!」の叫びが。でた。石橋さんの直後に話を聞かれた森岡氏が「あんなー!!で言おうと思ってたことがとんじゃった」て。かわいらしい。

おうちに帰ったら既にYahooニュースに既に掲載されてた。早い。のりピーネタは開口一番ではなかったと思うけど。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090814-00000015-oric-ent
嫌悪感を示している人のコメントが面白い(失礼)。
(追記)
ナタリーにも記事がでました。
http://natalie.mu/news/show/id/19979
これ読んどけば上の記述全部いらないじゃん!

*1:映画の中では歩みより

*2:さよならだけの人生じゃつまらねえぞ!

*3:作品の中でヤンキーな頭になってた人