sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

セインツ・オブ・練馬 / ロハ下ル @ 赤坂RED/THEATER

作・演出:山中隆次郎
出演:町田水城(はえぎわ)/數間優一/芦原健介/石澤彩美/伊東沙保/梅里アーツ/遠藤留奈/岡村泰子(きこり文庫)/シトミマモル/田中慎一郎/古河耕史/山縣太一(チェルフィッチュ

ko-moto2009-07-04
うーん。
面白くなくはなかったんですが、観ながら自分の視線がさめているのを感じていました。
「あえて時代考証をしない」とパンフレットで宣言しているところで、いきなり言い訳されてるように感じてざわっとした気持ちになり、そのせいか、あえて「ガチで」とか出てくるあたりに「んー……」となったり。ちらちら目につく演劇手法(同時多発会話であるとか、振付的な動きとか)もとってつけたように見えてしまいました。作り手の思惑が目に付いてしまう*1とさめちゃうのです。


多分私は「わざわざスロウライダーを解散して立ち上げた劇団」ってことで、何か新しいものを期待していたんだと思います。だからつい「スロウライダーと何が違うの?」てずっと思いながらの観劇になってしまいました。スロウライダーって「ホラー」て看板を掲げてたんでしょうか。解散時の理由にも、スロウライダーに触れて書かれている文章にも大抵「ホラー」の文字があったような覚えがあります。でも私は実際に作品を観た*2うえで、スロウライダーの作品を「ホラー」だとは思ってませんでした。だから、今回の作品は確かにホラーではなかったけれど、だからって新しいことやってるようにも見えませんでした。
いい役者さんがたくさん出演されてたので、もったいない。メインの兄妹以外の描写が浅く見えました。

それからチケットがやや高。当日清算だったのもあり、出かける前に価格をチェックして思わず「高いなー」って言いました。観た後も「高かったな」って思いました。3800円。たくさんの役者さんと美術代なのでしょうか。スロウライダー時代に前売りと当日券の価格差が1200円という驚きの設定があったりして、彼らの作品は「チケット代が高い」というイメージがあるのです。せっかく新たに立ち上げるんだからその辺のイメージを払拭するにもいいチャンスなんじゃないのかなーと思うんですが。そのあたりの改革はやんないんですね。単に最近私が観た作品がお安めで満足度の高いものが多かっただけかもしれませんが。

まあ、全体的な印象としては「ちょっと残念」でした。文句ばっかり言っていますが、「ちょっと残念」な箇所が目に付くだけで、全体としては唾棄したくなるよなものではなかたんですよ。睡眠不足で行ったけれど眠らずに最後まで観ましたし。


たくさん出演されていた役者さんはみなさん素敵でした。正直、伊東さんがすごかったからこの作品を面白く最後まで観れたんだと思います。伊東さん、初回「フリータイム」で拝見してあまりイメージが良くなかったんですが、「学芸会レーベル」とこの作品でものすごイメージアップ。演じている役の女性のほころびが徐々に拡大していく様子が見事でした。遠藤さんのにくったらしいクールビューティーっぷりも観ていて相当楽しかった。山縣太一氏は、まぁ、あのまんま。飄々とイヤらしい役でぴったりでした。髪を切れ*3。シトミさんを観るのは3作品目ですが、いっつも「きれいな男の子だのぅ」って見とれます。私の中ではぶっさん岡田に見えています(異議はうけつけません)。

(メモ)
千里眼事件

*1:うわーん、やられたー!てならない限り

*2:「Maggie」「アダムスキー」「手オノをもってあつまれ!」「クロウズ」

*3:途中の髪の毛、一瞬、彼のかと思いました。