sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

八番筋カウンシル

八番筋カウンシル

芥川賞受賞後第1作、ということで期待して読み始めたのですが、どうしたことか遅々としてすすまない。目で文字を追っているんだけど、気付くとそこまでの1ページ何を読んでいたのか分からなくなっていて、戻って読む。これを繰り返して、結局読了まで2週間ちかくかかってしまいました。そんなに厚くない本なのに。
出てくる人たちがあまり魅力的に思えなかったこと、カタカナの登場人物が多くて読んでいて混乱してしまったこと、現在と過去を行ったりきたりする構成なのにどちらのことを書いているのか切り替わって少し読み進めてから初めて気付くこと……。原因はなんだろう。とても好きな津村さんの作品だし、そのあたりを上手に書いてするする読ませてくれる方だと思っていたので、気持ちの意味でもちょっと混乱してしまいました。「ホカリ」が女子だってことに気付いたのが本当に最後の方だったり。
小説を書く登場人物の「たかが自分の頭からひねり出した程度の話になんの価値があるのか」みたいなモノローグにはどきっとしました。
……正直それくらいだったかも。