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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

あらわれる、飛んでみる、いなくなる / 五反田団といわきから来た女子高生 @ アトリエヘリコプター 

作・演出 前田司郎
作・出演 いわきから来た女子高生達


福島県いわき市にある高校の生徒さんと先生がたと今年の夏に一本の芝居を作りました。
それが凄く面白かったので東京でもやれないかと画策し上演にこぎつけました。
とある高校の生徒達が放課後残って野球部の練習について相談していると隣町にマソンと呼ばれる巨大な生き物が現れ隣町は崩壊寸前になるのですが彼女達は、それどころじゃないくらい色々考えることややることがあるのだ、という話です。
(五反田団オフィシャルhttp://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/より。改行をなくして転載しました。)

いやーこれさいっこうにおもしろかったです。「もう二度と見られない再演不可能の傑作演劇!」とうたわれておりますが、このお値段*1でこの内容だもの。明後日14日まであと3回あります。14日の昼公演ならまだサイトから買えるみたいですよ(13日00:10現在)。

五反田団でここのところ顕著である「生死」についての香りがそこまで感じられず、8人の素朴な女子高生のいわき訛りが輝く会話劇でした。最初のほうとか同時多発会話が行われていて、いきなり高校生のときの教室のにおいを感じました。前田さん、しれっと「ポツドールを意識しました」って言いそう。こないだの公演(すてるたび)のアフタートークで、しょっぱなの黒田さんのあたふたブリを「ダンス」と称し、「チェルフィッチュを意識しました」って言い切ってたものなー。フットワークが軽いというかいい加減というか、こだわるところとこだわらないところのバランスが不思議なひとだなぁ。

公演パンフにも書いてありましたが、登場する女子たちが図ったかのように個性的なコたちばっかり。そういえば学校のクラスって割り当てたワケじゃないだろうのに、どのクラスにも「こういう立ち位置」というコが満遍なく配置されてたよな。「言いだしっぺになりがちなコ」「無茶やりがちなコ」「たしなめ役」とかそんなカンジの。まあ、もともと持っている性格だけではなくて、その人間たちのいるそのクラスに配置されたからこそ立ち位置も決まってくるのでしょうから、卵が先か鶏が先か、て話なんでしょうけれども。
あたしゃーとにかく「ゆーみん」が好きだったよ。あくまでもパフュームにこだわる彼女。自転車のサドルが高すぎて乗っていけない彼女(あれはアクシデントだったのかしら?みんな素で笑っちゃいそうになっていたような)。

ともあれ、授業の一環として「演劇」クラスがあって、それでこんな完成度の作品に出て、お金をとって東京で公演できちゃうなんて、ものっすごく贅沢で貴重な体験よなーって目を細めました。キラキラしてた彼女たちがとてもうらやましく。

*1:五反田団価格でおなじみの1500円