- 作者: 津村記久子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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文学賞メッタ斬り!の過去掲載分を読んだら、言いたいことを言ってくれてました。
http://web.parco-city.com/literaryawards/139/r2_07.html
お腹がすいた描写に感じるカタルシスは、「それが解消されたことによる」よりも、「“お腹がすいたということが、気持ちや行動にものすご影響する”ことを書いてくれたことによる」じゃないかね、と思います。お腹すいてるときって「お腹がすいた」がベースにどーんと鎮座したまま動くハメになるじゃんか。お腹すくと機嫌が悪い、ほら、アタシってそういうタイプじゃないですかぁ。
併載されている「冷たい十字路」についても、「なぜみんなそんなに急ぐのか」「自分だけが憂鬱だと思っている人が多いのでは」「すれ違いざまに舌打ちされた側のひきずる気持ち」とか、満員電車で読んでいる身としては、深くうなずいたりちょっとドキッとさせられたり。
面白かったです。岸本さんに続いてこの方も他の作品読み漁りたい。