sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

疾走

疾走

とにかく表紙が怖いよー。
内容もとことん重苦しくて、ラストの展開に「最後までこれですか!」と思わずブーイングしました。息苦しいまでの重厚さがすごかったです。
ただ、ここのところ、「家族」「学校」「世間」からの浮遊感であるとか、そのために行われた犯罪であるとか、そういう作品を観たり読んだりしすぎてしまったのか、ちょっとだけ食傷気味だわ、とかも思いました。数ある作品の中でも描かれ方は重厚ですし、矛盾もないし、説得力ありまくりだったんですが。読んだ時期があまりよくなかったのかも。
「ひとり」に象徴されるように、言葉を「漢字」と「ひらがな」で感覚が違うということを主人公が思っていたり、特に注記もなく主人公の思考がすべてひらがなで表記される部分がありました。そういうところも含めて非常に丁寧に書かれてる印象を受けました。そういう細かいところのこだわり、好きです。

これ映画にもなっているんですね。キャスティングがいまいちイメージと違うかも……。アカネはもちっとふくよかな女性だろう!