sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

チェルウィーケン番外。

新潮 2008年 06月号 [雑誌]

新潮 2008年 06月号 [雑誌]

新潮2008年06月号*1に掲載されていた小説「楽観的な方のケース」と戯曲「フリータイム」(岡田利規作)を読みました。

「楽観的な方のケース」は、海の近くの狭いアパートに住む女性と、近所に出来たパン屋さんとの関係を淡々と。この女性が恋人とおいしいパンとコーヒーの朝食をとることを大事にしている人で好感。面白かったのは、ちらりと見えた不安要素がその一文後には解決されちゃったりしている箇所が多くて「彼女はこれが気になった」「すぐに忘れた」とか矢継ぎ早に表記されていて。そのたびに「なんてあっけない。なんて簡単に。」と思うとともにタイトルを思い出して「楽観的な方のケースだからか?」と思い出しました。ラストまで読むと「さて、では悲観的な方のケースは」と脳内でお話を紡ぎだしたりしました。
パン屋さん「コティディアン」ってすごく聞き覚えあるなー、と思ったらやっぱりパリにある有名なパン屋さんの名前でしたよ。「わたしの場所の複数」のハンドルネーム「armyofme(bjorkの曲名)」といい、こういうところこだわっているというか遊んでますね。またオシャレだって言われちゃうよ。

「フリータイム」はうん、上演のままでした。そろそろあの口調を文章として読むのに慣れてきたような気がしたり。

*1:売り切れらしくはまぞうに掲載されてませんと思ったら発見したのではりました