sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

『五人姉妹』準備公演 / ミクニヤナイハラプロジェクト @ こまばアゴラ劇場


作・演出・振付: 矢内原美邦
出演: 稲毛礼子 笠木泉 高山玲子 三坂知絵子 光瀬指絵 山本圭

この暑い中当日券に並んで取れなかったら……と二の足を踏んでいたところ、前日になって追加公演の情報を目にして即予約を取りました。
やー、観てよかった!これは傑作なのではないでしょうか。本公演の予定は1年後とのことですが、ぜひにも観にいきたい。

ニブロールも含めて、矢内原さん名義の公演を観るのは初めてでした。今まで吾妻橋でのoff-nibrollしか観たことがなく。それもあってダンスのイメージがすごく強かったので、「女三人(五人だけど)そろえば姦しい」という言葉を思い出すほどの言葉の洪水に驚きました。ダンス公演を観にきた感じがしなかったです。や、でも思い出すと確かにダンス公演。とても刺激的で面白かった。
ずっと寝ている笠木さんの「静」と「動」の落差と、山本さんの五人姉妹からの攻撃されっぷりが非常に楽しく。女子によるドロップキックの鮮やかさに笑い。聞き取れないほどの早口は「はい、息吸って」と出演者からの台詞が用意されているほど。ふかっちゃんのカバチタレなんてメじゃないくらいの早口長セリフ。もう途中でその早口の意味をとるのをやめて、音楽の代わりとして似たトーンで繰り返される台詞にトランス状態に突入させていただきました。「うるせー」と思ってしまうほどの言葉の洪水が心地よいものに変容した瞬間を感じ取るという、面白い経験ができました。
観ている間も今も、ダンスと言葉の入るタイミングに何かをものすごく思い出している感覚があるのに、それが何であるかがわからなくてとてももどかしい。