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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

さようなら僕の小さな名声 / 五反田団

金曜深夜にNHKシアター・コレクションとして放送。以前に劇場で上演した3作品を、今年の1月にNHKのスタジオで新たに上演した3作品のうちの1つ。初演は2006年11月、こまばアゴラ劇場

舞台がいわゆる八百屋になっていました。客席を観てなっとく。客席がまったいらなのですね。この作品は床にねっころがってばっかりだったから苦肉の策としてこういう形になったんでしょう。
もう、前田さん、NHKネタ使いすぎです。劇団員役の中川さんが最初っから胸にどでかく「ソニー」と書いたTシャツを着て登場。「そういうのまずいんだよ、NHKなんだから。特定企業の宣伝みたくなっちゃうでしょ」と注意したうえで、あとから「ベンツ」だ「ロレックス」だ連発するシーンでは、もうしつこいわい!てくらい「ドイツ製の高級車が!」「スイス製の高級時計が!」っていいまくってました。トップランナーのまねっことか。ここのところの岸田戯曲賞選考委員様方が発していたという「だまされたくない」「いいかげん」とか、エキス・ポで芥川賞メッタ斬り!の豊崎さんが「なめてる」とか、前田さんを評していたのを頭のてっぺんにほわほわと浮かべながら観ました。
正直NHKネタまわりは入れないで、初演と同じにやってた方がよかった。作品にただよってた夢のような空気があそこで消えてしまったように感じました。こういってはなんですが、松尾ちゃんや宮藤さんの初めての映像作品はなんとなくはしゃぎがちだったのを思い出したりしました。いつもどおりにやってくれたらいいのになーというか。失礼なものいい。
タクシーの運転手の人は初演と違う人でしたね。今回は、「生きてるものはいないのか」で死んでた女の子でした(全員です)(全然説明になっていない)。
いやーでもテレビで五反田団って、なんか不思議だものな。浮き足立ってもそりゃそうだという気もします。
個人的には「キャベツの類」がもう一度観たい。