sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

お風呂で読了。なれないし多分なりたくもないんだろうけどその生き様にちょっとあこがれます(無責任すぎる発言)。
元祖恨ミシュランのときもそうでしたけど、また恵比寿のイル・ボッカローネに行きたくなった。それなりのお値段するので、なんかの言い訳がないと行きにくいんですよねー。誰かのお祝いとか、ボーナス出たとか。最低7000円くらいですが行ってやってもいい、という人いらっしゃいましたら行きましょうよぅ(弱々しくつぶやく)。外食するときにイタリアンを選ぶ確率って少ないなぁ、とはたと気づきました。周りに酒飲みが少なかった時代までですねー、イタリアン外食。
あと、おそらくご本人たちは嫌がるだろうと思いましたが、鴨ちゃん関係では病気やら死の話題が明るくも語られていて「ああ……」てなってしまいました。

花宵道中

花宵道中

こちらは通勤電車で読了。吉原が舞台なので、通勤電車では思わず本の開き具合をせまぁ〜くしてしまうような描写満載。下品じゃないので退きはしません。むしろ歓迎。素敵だったのです。巻末に「R-18文学賞*1」みたいな記述があったところでようやく納得した性描写っぷりでした。その文学賞の説明文に「ケータイ」の文字があって、桜庭さんの作品を読み終えたときに「あら、ライトノベル」と思ったのと同じように、「あらケータイ」と思いました。こういう枠組みで読書対象を絞っちゃってる自分をひしひし感じました。もったいないのかなぁって。……といいつついわゆるケータイ小説は読まないと思いますが。

作品は吉原に生きる女性と、その女性に関わる男性と、複数の短編に同じ人物が関わってたり、時間軸をずらしてあったりして面白く読みました。特にあの朝霧の相手の男性のくだり以降はぐいぐいひきつけられました。女性ばかりの世界を描いているけど、女性同士のどろどろを描くのではなくて、あくまでも自分と自分の人生、同じ吉原の女性とその女性の人生、そして男たち、という関係を描いているのが潔くて、登場人物同様に媚をうらない粋な書き方にいうっとりしました。いい意味で少女漫画的求愛が描かれているのにも、うふうふできました。
各シーンにおいて、しつこすぎない程度に景色の描写がされているので、頭の中に勝手に映像を作りながら読むことができて楽しい楽しい。吉原を扱った作品って観たことないんですけど、「さくらん」とか「吉原炎上*2」とか観てみようかと思いました。
桂山が朝霧姉さんを真似てお金をばらまいてお客さんをおっぱらうシーンがよいなぁ。そう、どの女性も「凛として粋」なのがよかったのです。

*1:正式名称忘れました

*2:古い