sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

ドラクル GOD FEARING DRACUL @ シアターコクーン

ko-moto2007-09-23

作・演出: 長塚圭史
出演: 市川海老蔵/宮沢りえ/永作博美/渡辺哲/山崎一/手塚とおる/山本亨/市川しんぺー/明星真由美/中山祐一朗/勝村政信

つまんなかったー。ケイシー、なんか色々しばりがあったのですか、と聞きたくなるようなぎこちなさでした。
特に前半はずっと説明だけされているようなのにかなり間延びしていてなんだかもうどうでもいいよ、って気に。これまで観た長塚さん作品でこんなにも聞いているのに全く頭に入ってこない上滑りな感覚は味わったことなかったな。後半は少しテンポがあがりました。ラストも悪い意味でびっくり。これで終わらせちゃうの?って。
前半と後半で出てくる人がある程度ぱっきり分かれてしまっているのももったいなかった。しんぺーさん出てきたときには安心したよぉ、今回は飛び道具じゃございませんねって。
あと演出というか舞台装置や場面転換がつたなく見えました。大きなセットが動くときに音がみしみしなってたり、完全に舞台上を真っ暗にしなくて舞台上の椅子を片付けるスタッフさんが見えたり、暗転してすぐ舞台上を歩く役者さんの足音(ブーツだったから)が聴こえすぎたり。生の楽器を舞台音楽として使用するのはいいんですが、それがゆえに音量があまり大きくならず、舞台上の雑音がやたら気になる結果になってしまったのではないでしょうか。私は舞台上の照明がぱっとついたときに役者さんがちゃんと定位置にたっているのを観て「わぁいつのまに」って思うのが好きなのでかなり気になりました。
舞台美術は綺麗でした。場面転換のときに客席天井が青白く照らされるのが特に。
それから後半、永作さんブラボーでした。女優二人のシーンは楽しかったなぁ。女相手に怒りを抑えつつネチネチネチネチ責める永作さんは大好物だ。最高だわ。ドラマ「週末婚」の初回のラストシーンでお姉ちゃんの行いを大勢の前でぶちまけるシーンを思い出しました。最高だ。2回言った。その後の宮沢さんも熱演されてました。あのすごくムリのある役を。
ケイシー、あれはないぜって思った台詞でしたよ、なんつか愛している夫以外の人と、夫と間違っていたしてしまった後に、無理から犯されるような形になってしまって、イヤだと抵抗していたのにその声がついには歓喜の声に変わっていったって……。ねーよ。レイプもののAVかよ。やっすい男の夢とか勘違いとかじゃないのそういうの。そしてその後、肉欲におぼれた自分を責め続けたんですって。ふーん。私にはどうにも興ざめでした。ここって言ってみればこの舞台のストーリーの謎解き部分というか、結構キモのところだったんだと思うので、もう「だめだこりゃ」ってなっちゃいました。
とまあ、話していることは(私にとって)ハァ?てなシーンだったんですが、女優お二人を堪能するという意味では良いシーンでした。

あとエビちゃん(男)が出演するということで、どうしても染さまを連想するんですが、これについても染さまの圧勝でした。エビちゃんは海老さまにはならなかったです。見得を切るっぽいシーンで幕がさがって休憩になったものだから余計に連想しちゃいました。

ああ残念だったよ。たのむよケイシー。