sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

コンフィダント・絆 @ パルコ劇場

作・演出 三谷幸喜
出演 中井貴一寺脇康文相島一之堀内敬子生瀬勝久

ko-moto2007-04-21

やー、すっばらしかった。「お芝居のお手本です」ってものをみせてもらったような気持ち。最初に「実在する絵描きの話」って聞いたとき、翻訳劇みたいなノリとかパロディみたいなノリになってしまってるんじゃ……?って不安に思ってしまったんですけど、バカじゃないの!そんときの自分!って言いたくなりました。
各登場人物がそれこそ永遠の命を吹き込まれているような。ムリがまったくなくってみんながみんな一生懸命だし適当なところは適当だし弱いところは弱いし。最後のシーンだけ「そんな……!タイトルの意味は分かったけどこんなシーンにしなくたってっ……」ってちょっとかなしかったんですが、一緒に観にいった美大受験経験のある友人にはあそこはもうどかんと身にせまる感覚があったようです。うん。ぐっさりくるからこそいっそなくなっちゃえば、ってちょっと思っちゃったんですよね。や、あるべきよ、あるべきだったよ、あのシーンは。
役者さんは当たり前のように皆さん達者。「達者」なんて偉そうな響きですけれど、本当に「達者」としかいいようがないです。特に中井さんがなー。説明されなくたって内に秘めちゃってるあれやこれやが細かい仕草や立ち居振る舞いに現れていて、思わず感嘆のため息つきました。あと自由奔放な天才役の生瀬さんのダメっぷりや攻撃性がえらいことセクシーでまいりました。はい、「だめんずウォーカー」とか怖くて読めません。あの本、きっとホラーだよ。
それから狂言回し的な重要人物の堀内さん。唯一の女性をかわいくおおらかに演じられていて、そんでもってあのお歌のうまさ。わーステキステキステキだれだれだれ!と思っていたら元四季の方なんですね。思いっきりうなずきました。そうだろう、そうだろう。

ああ、とにかく良い時間を過ごさせてもらいました。チケット入手の困難さはそりゃあ私だってよーく知ってます。何回も敗れてます。でも今回の作品が(パルコ歌舞伎は番外として)初三谷作品で本当によかったなー、って思いました。観ることできてよかった。だから当日券とか諦めずにがんばってみてみなさん。できれば私ももう一度みたいくらいです。