sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

美藝公(びげいこう) / KUDAN Project @ ザ・スズナリ

脚本・演出:天野天街
出演:小熊ヒデジ&寺十 吾

ko-moto2007-03-21
このメンバーでの2人芝居シリーズ、「くだんの件」「真夜中の弥次さん喜多さん」に続く3作目。本日千秋楽。今回は筒井康隆原作、だけど全然違うものになっちゃったから原作も読んでみてね、というメッセージがパンフレットにありました。
映画が非常に尊ばれている架空の街(?)。その映画界でトップに君臨する俳優に与えられる称号が美藝公。その美藝公はさらに栄光を得ようとして(かな?)自作自演で炭鉱をダイナマイトで爆破して、人命救助していい人アピール。死者をださない素晴らしい自作自演だったけど、結局ばれて映画界を追放されて、演劇の世界に戻らざるをえなくなる。そしてなかなか書けない脚本家と演劇を始めようとするんだけど、映画界に戻りたくてしょうがない。ストーリーはこんなカンジ。と私は理解しました(でも正直ストーリーはあまり重要視してないかも。失礼ですが)。

やー……面白かったー。いつもながらの映像と動きのシンクロやら、動作やセリフの繰り返しによる軽いトランス状態を楽しみました。今回はそれに加えて声に出して笑ってしまうようなエンタテインメント性の高い作品になっていたように思います。「ボクの演劇が……」のくだりなんて好きだったなぁ〜。ちくわ……。ビシャー!ちくわに鉛筆さしながら「ああ、なんか、ヘンな気持ち」て。びっくりしたなぁ、下ネタじゃんすか(違う?)。出演者による映画礼賛、演劇卑下。「演劇はすいかかぶらなきゃいけないし」で「くだんの件」を思い出してくすくす笑っていたのですが、私の分からないところで爆笑が起きていたりしたからきっと「真夜中の弥次さん喜多さん」(未見)から連想される仕掛けもあったのでしょう。矢島さん=弥次さん、北山さん=喜多さんってのくらいはさすがにわかったよ。
それから少年王者舘作品には夕沈ダンスがあるから不思議ではないんですけど、タップ踊られたときには驚いちゃいました。
ほんの一瞬ずつ映し出される古い映画の「END」映像も心地よかった。
もう一回観たい気持ちになりましたよ。千秋楽でしたけど……。