矢野顕子×上原ひろみでございます。期待しないほうがムリってなステキセッション。そしてやっぱりワタクシのちっぽけな期待なんて軽く飛び越えた極上な時間をくれました。すごかったな。1曲1曲終わるごとに心が突き動かしたように拍手をして、誇張じゃなく「……はぁ〜」と息をもらしてしまって。ああ「息もつかせぬ」ってこういうことなんだ、って思いました。
コンサートは、上原さんのソロ→アッコちゃんソロ→二人での“Jammin'”という構成で。ピアノ2台が向かい合わせになった舞台上で、静かなときは左足で刻むリズムが響いて、ねぇ……。
上原さんはTVでしか観たことなかったのですが、いろんな意味でかわいくて若々しくて驚きました。フリージャズの言葉のイメージで、もこもこしたピアノを弾かれるのだろうと思っていたのですが、意外とさらりとされてました。もちろんテレビで観るような、超速ソロを身を乗り出して体重を鍵盤にのっけるように演奏されるシーンも多かったのですが、表面的なテンションは一定に保たれている印象でした。へえ、おもしろい。なんだか全然ジャンル違うんですけどイングヴェイ・マルムスティーンを思い出したりしちゃった。技巧派という印象を受けたのでしょう。
矢野さんのソロはみやこ音楽祭と曲目は似てましたが、今日はボーカルがまっすぐに届けられているカンジ。「きよしちゃん」が聴けて幸せ。「その手を離してはいけない、Everything's gonna be alright」と唄う姿が凛としていて。
そして待ってましたお二人の“Jammin'”。
「あんたがたどこさ」がもうそれ童謡じゃないよ、という超絶技巧による凝ったアレンジで演奏されて。すごかったな。知りませんでしたがモンゴ・サンタマリアの「アフロブルー」とあわせたアレンジだそうで。コルトレーンの演奏が有名だそうで。ってか「ウォーターメロン・マン」のオリジネーターなのですか!(追記:訂正>違う違う。やっぱハービー・ハンコックでしたよ。モンゴ・サンタマリアの代表作品としてこの曲のカバーがあげられるのですって。きゃーはずかちー。)……知らなかった。ライブ版がよさげなのでこれは買おう。
- アーティスト: モンゴ・サンタマリア,トミー・ヴィラリーニ,ディジー・ガレスピー,ダグ・ハリス,トゥーツ・シールマンス,アレン・ホイスト,ミルトン・ハミルトン,リー・スミス,スティーヴ・ベリオス
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2003/08/21
- メディア: CD
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それから「ラーメン食べたい」。いやはや。この曲はアッコちゃんのソロから「Beautiful Songs」の民生バージョン、そしてさとがえるトリオによる毎回のアレンジと聴いてきましたが、もう本当に、同じ曲がどうしてこんなにも表情が変わってしまうのかと驚愕でした。もう気がついたらはちきれんばかりの拍手でした。すっげすっげすっげ、てな単純な感想になってしまう。
今日はもう心からの拍手が、自分でもびっくりするくらいの勢いで出てきてしまって。アンコールを求める拍手ってなぜかいつのまにか会場全員で一定のリズムを刻むようになるじゃないですか。もうそれが「ああもう、あたしの拍手は今そんなゆっくりテンションじゃないんだよ!」って思ってしまうくらい。ああもうああもうああもうホントにいいもの観た。
スペシャで放送されるようなのでぜひぜひご覧くださいませ。私はもうぜcっっっったい観るよ!
SPACE SHOWER TV Jammin' 〜The Piano Session〜
初回放送:12/27(水) 23:00〜24:00
リピート:12/28(木) 21:00〜、12/31(日) 26:00〜、1/4(木) 20:00〜、1/6(土) 24:30〜