sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

短編集Vol.1-図書館的人生- / イキウメ @ スタジオサンモール

ソワレ。おーもしろかった!
「短編集」というタイトルのとおり、5つの話からなるオムニバス公演。タイトルに惹かれて行きました。図書館的人生。


各タイトルとあらすじは配布されたパンフ(これまた1枚紙ペラの)から抜粋します。

  • 図書館的人生

気がつくと私は見知らぬ部屋で座っていた。目の前の男は図書館職員で、何故か私以上に私を知っている。そして彼は、私が会ったこともない私の兄を、私に紹介する。

  • 青の記憶

病院の一室で自信に襲われる五人。揺れが治まってみると状況は一変していた。窓から見えた太陽は月に代わり、ドアの向こうには、永遠に続く廊下があった。

  • 輪廻TM

ある寺の住職は、夜な夜な地下室で秘密の実験を繰りかえしていた。そして終に完成したその装置で、坊主は時空を超える。

  • ゴッド セーブ ザ クイーン

投身自殺寸前の女の前に、二人の男が現れる。止めにきたわけではなさそうだ。男は言う。どうせ死ぬなら移植医療にご協力を。その体と、その記憶、そして残った寿命を回収したい。

意識不明のまま三年間を過ごし、自分の誕生日に息を引き取った女。葬式で夫の前に現れたのは、妻の最後の三年間を共に過ごしたという男だった。

各ストーリーや登場人物が微妙に絡みながら進行するちょっと不思議な話。共通していたのは「輪廻」だったのかな。生と死と生まれ変わり。
最後のトロイメライの直前に休憩が入り、これだけが独立してみえました。そしてこれがなんかしっとりと泣いてしまいました。
三年間、植物状態にある奥さん。眠っている奥さんと三年間過ごしていた男。そして三年間、眠り続ける奥さんを家に引き取ってお世話していた夫。
でも不器用だからはたからみると充分にお世話しているように見えなかったらしく夫は親族から責められたりして。「自分は人がいると素直に言葉が言えなくて、だから赤ちゃんとかも苦手なくらいで、でも誰も見ていないと思うと色んなことをすらすらと話せるんです」という夫に対して、(夫の目線から言えば浮気相手である)男が渡した手紙には、奥さんからの「全部聞いてたしわかっている」というメッセージ。もうどうすればいいのやるせない。またこの奥さんがものすごくキュートで。淡いピンクのロングフレアスカートにやや濃いピンクのカーディガン。前髪ぱっつんのゆるいウェーブのかかった髪で。かわいいの、つい彼女ばっかみちゃってた。

「輪廻TM」はタイトル見ただけで「タイムマシン?……いやいやいや、STMBみすぎ」とセルフツッコミしてたらホントにタイムマシンだったからびっくりした。ゴッド セーブ ザ クイーン(これも終わってみたら「なるほど」なタイトルで)とのリンクがよかったなぁ。来世が初の女性天皇である女性が乗り移った男性(あいやー、観てないとわからな説明)の叫ぶ「めんどくせー!オレの来世、ちょうめんどくさい!」って笑った〜。実際は順番としてはその「めんどくさい来世」が初女性天皇ってことは後から分かるんですけどね。

「青の記憶」の最後のスーパーボールが魂だったとこ、好きだったんですがものすごい既視感。小さい頃に読んでしまってぞわっとしたマンガのような。いや、SFかなぁ?ここでは天野役の渡辺さんを目で追ってしまってました。ママ。

……あぁとりとめもなくムダに長くなってしまいましたがおもしろかった。しかもコストパフォーマンス高いよ。終演後、アンケート書いててちょっと遅くなっちゃったからかもしれませんが、やたら劇団知り合い筋のお客さんが多かったみたいですね。外で歓談が始まっていて「すみませんすみません」と意味なく恐縮しながら退出。
次回公演みたいなぁ。G-up……あ、七里ガ浜オールスターズ*1の時はぜひ観に行こう。

*1:10月ってずいぶん先ですが