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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

NODA・MAP 第11回公演 「贋作・罪と罰」 @ シアターコクーン

脚本・演出・出演:野田秀樹
出演: 松たか子 古田新太 段田安則 宇梶剛士 美波 マギー 右近健一 
小松和重 村岡希美 中村まこと 進藤健太郎

今年の観劇初め。ソワレ。
いや〜、いいもん観た!

とにかく松さんの凛とした姿が素晴らしかったです。やりこめられたて嗚咽するシーンで、ともすれば泣き崩れるシーンであるのに、そこでも一本芯の通った立ち姿で、でも心の底から号泣しているのが伝わってくるのがすごい迫力で。
対する古田新太のおっちゃんも、つかみどころのない要領の良い飄々としたキャラに見せておきながら、最後にものすごい説得力をもってものすごい包容力を見せてくれました。

会場のシアターコクーンはまるで円形劇場のようになってました。真中に配置された菱形のステージを囲む客席。舞台の上はごくシンプルで、上からつるされた2枚のカーテンの行き来によって場面転換が示されたり、たくさんの椅子を組みたてることによってそこが居酒屋になったり主人公の住む部屋になったり闘争のバリケードになったり。出演者さんたちはほぼでずっぱりで舞台近くに座り、舞台上で役者さんが物を動かすのに合わせてノックの効果音や戸を引く効果音を出す。これが見事にすんなりと場面や情景を浮かばせてくれて良かったな。それから今回は梱包剤(所謂“ぷちぷち”)を下にひいているシーンも多くて、歩くたびにぷちぷちいうのがまたステキでした。
情景を浮かばせる、といえばセリフによっても。英と才谷が川岸で話しているところなんて本当に澄んだ空気の中で草の香りが漂う川岸が浮かぶようでした。

役者さんはさすがの方々。
段田安則さんは初めて観たんですけどさすが、と思いました。お墓の前で英と対峙するシーンの毅然とした信念を持った所作が本当にかっこよかった。
中村まことさんがかなり重要ポジションで嬉しくなっちゃいました。数役こなされていたんですが、どれもどこか情けなくて弱っちくて、なのにいつのまにか大きな荷物をしょわされてしまうような役。これをどうにも憎めない雰囲気でみせてくれました。
それから私は全く知らなかったんですが美波さんがかわいくてよかったです。
で、最後に文句ひとつ。やっぱり宇梶さんには観たい舞台に出てほしくないです……。今回特に、体つきや動作や声自体は大きいのに本当にセリフが聞き取れなくて、彼が出てくるたびにイライラしました。

とグチってみたものの舞台全体は素晴らしかったです。野田さんの舞台でストーリーがすんなり入ってくるのも久しぶりで、そういう点でも嬉しかった。チケット取り大変だったけど、お値段もなかなかするけれども、今日は豪雨で出かけるの大変だったけど、全部ひっくるめて観てよかった。
とかいってちらほら空席もありました。お天気のせいかなぁ〜?当日券もそれなりに出ているみたいだし、立ち見でもいつものコクーン配置より見やすいような気もします。3000円だし、2時間くらいだし、仕事忙しくなければ当日でもう1回観に行ったかも。

パンフにあったニナガワさんの次の、観たい!と思ったんだけど……ま・た・J・か。松本さん、観てみたいけどチケット取りも厳しければ客層もちょっと困っちゃう可能性が高いよな気がする。

……なんか今読み返してみたら小学生の感想文みたいなぶつぎり文章になってますね。恥ずかしいなーと思いつつアップ。余裕あったら書きなおすかもしれません。