sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

読了

友人にすすめられて一気に2冊、角田さんのを読んでみました。偶然にも2冊とも恋愛がらみだったんですけど、この方、恋愛小説中心の方ではないんですよね?

あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)

あしたはうんと遠くへいこう (角川文庫)

ある女性の中学生から32歳までの恋愛をつづった小説。あらすじにもあったようにその不器用っぷりがすごいように見えるんですが、多かれ少なかれ恋愛ってこういうみっともないようなあがきだらけなんじゃないのかなーと思ったりしました。主人公はヘンに行動力があったために極端なことしてるように見える(いきなり海外に飛んだりな)だけで。その行動力がキラキラしてみえました。「たすけて」という言葉が「自然に涙がこぼれてしまう言葉」から「(苦笑まじりだけど)笑い飛ばしてしまう言葉」へと変容していまして、結局この変化が主人公の成長であり、筆者の書きたかったことなのかなと思いました。
あと、恐らく主人公の32歳=現在として扱われているんでしょうね、文中に現れる具体的な曲名/アーティスト名で「あー、これはあの頃なわけね」とイメージできるのが楽しかったです。現在、主人公と同年代だとその辺おもしろいです。年代が違う人が読むとどう思うんだろうな。

だれかのいとしいひと (文春文庫)

だれかのいとしいひと (文春文庫)

こちらもさらさらと。転校生の話が印象的。文庫版では枡野さんの解説があって、相変わらずの枡野節ににやにやしました。