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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

読了。伊坂づいてます。ミステリー、なんでしょうかこれ。ファンタジー? 突飛な設定の中に妙に現実的なところがあったりするから、突飛な設定なんていいじゃんよ、と思ってしまいます。アイコンを用いることによって場面切り替えをするのは「ラッシュライフ」と同じ書き方ですが、これ、いいですよね。なんのアイコンもないと混乱しそうな複数のお話が明確になるので。

これはデビュー作らしく。それもあってか少しだけ読み進めるのが遅かったです。こなれ、の部分でしょうか。クライマックスに向かうに連れてなんだかちょっとほろりとしたり。この人の人間の描き方は暖かく、そしてすこし寂しいですね。

オチの話しが混ざるかもしれないので以下は未読の方は飛ばしてください。





優午が用意した、それぞれの人間にとってはなんでもない事柄が結果的に大きな事件になっていた、っていうので、中学時代に読んだ星新一ショートショートを思い出しました。あれはアルバイトかなんかで指定された相手とずっと電話をしていたら、それが殺人の一端を担っていた、というお話でした。Amazon新潮文庫のサイトで調べたけどどの文庫だったかはわからなかったです。そうそう、和田誠さんの装丁でね。地球がデザインされたカバーだったと思うんですが(でも「ようこそ地球さん」じゃない)。うー、どの話しだったかつきとめに図書館行くか。


さてー、ここでようやく図書館予約本到着ラッシュも一段落したようで。ついにアフターダークを読み始められそう。