今日のブロードキャスターで、創刊した雑誌「R5」のターゲットとなった年代を「R25世代」と表していた。具体的には25〜32歳の「団塊Jr世代」を指すという。番組曰く「学生時代にバブルの恩恵を受けた」「あるのが当たり前で自分から取りに行かない。受身」「一生懸命になるのがみっともない。クールでいたい」「危機感がないけど不安がある」とのこと。さらにその世代のサラリーマン風の方々にインタビューしてたけど、上記の説を肯定する内容。
ふーん(鼻ほじ)。
R25って雑誌自体にはどうこう言おうと思わないけど、ちょっとこの特集には首をひねってしまった。
R25世代の上のほうにいる自分としてはこんなカンジ。
まず、この世代は上の人が思うほど「バブルの恩恵」を受けてないんじゃねーの? と思う。いつも自分の世代も含めて「バブル世代」って言われ方をするけど、バブル全盛だったのは高校生時代で、大学時代には既にバブルははじけてた。ニュースとしてみたらその時代に高校生だろうが大学生だろうが大差ないのかもしれないけど、高校生の1年1年って大人よりも長く感じるものだし、大学に入ると生活が一変したりするので、当事者としてはその差はとっても大きい。そして、高校生はお金を持っていないからそんなに遊びに出かけられもしない。バブル時代に存在してたエキサイティングな体験とか、過剰なサービスがあって当たり前、っていう印象はない。ユーミンの苗場スキーに象徴されるような浮かれた体験だって(まぁ今よりは自給高かったけど)必至でアルバイトしてお金ためていってたし。
第一、「バブルの影響」で一番差が出てるのは就職じゃないのかよ、と。そういう意味で、92年までに入社した人たちと、その後の氷河期を乗り越えた人たちを一緒にしないで欲しいよ。今のR25世代ってさ、「一生この会社にいて当たり前」っていうのが崩れて「転職して自分がやりたい仕事をやっていく」という考え方が普及(ってのもおかしいか)してきた最初の方の世代なんじゃないのかな。苦労して会社入って、でもその会社ではリストラだ、事業撤退だ、で以前より安定したスキルを与えてもらえない。自分でスキルを身につけて、どこに行っても通用するように日々努力しなくちゃだし。
さらにベビーブームで人が多い世代で。受験、就職など、大勢の中から抜きん出るのはホント大変。それに、巷の「高校生ブーム」や「女子大生ブーム」とかの浮かれたブームとは全く無縁。就職の時なんて、それこそ、大学に入るときは「就職しやすい」ってのも考慮に入れておいたのにその目論見は外れまくりだった。
だから、「諦めるしかない世代」だったんじゃないの?と思う。無理やり名前をつけるとしたら。そりゃ、クールなふりでもしなきゃやってらんねーっつの。全部、全力でなりふりかまわずやってたら、いっつもあっつくぶつかって玉砕して号泣、ってのを見せ付けつづける文字通り暑苦しいヤツになっちゃうでしょ。
世代論としては、私の周りでは「1976年が分かれ目」ということになっている。実際、私もそこに境があるなぁと思う。年齢的にはそんなに差があるわけではないし、同じだけ歳の離れた年上の人とはあまりギャップは感じない。「それくらいの年齢差だと度の世代でもギャップを感じ始めるものかな?」とか「私が妹だから年上の人の方が得意だからかな?」とかも考えたけど、現在の課長レベルの人からバブル入社世代の人まで「その辺であきらかに違うね」って言う。これについてはどういう原因があるのか考察するまでには至らない(大学入学時から就職難を知っている、とか、就職氷河期の定着による就職ノウハウや必須スキルの明確化、とかあるんだろうなとは思う)けど、考察されている文献を見たい。特に1976年以降の方の考える世代論を。