sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

プルートゥ @ シアターコクーン

ko-moto2015-01-12

原作:浦沢直樹×手塚治虫
演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
上演台本:谷賢一
出演:森山未來 永作博美 柄本明 吉見一豊 松重豊 寺脇康文

森山未來のダンスが観たい、けどチケット高いなー!て見送りそうだった矢先、休日限定2F立見券(お安い)が発売されたので飛びついてチケットとりました。1ケタ台の舞台に近い番号で、この前にコクーンで観た『キレイ』が3F立見で舞台上手1/3ほど見えない状態だったので*1心配していましたが、いやはや、きちんと舞台見えました。手前の舞台がほーんのちょっと見切れるくらいで。2Fの立見案外いいかも。


そして、コクーンには立て続けにお花が咲いたのでした。戦争と平和、というか戦争とお花。


原作漫画は一切読まず*2に観ましたが、まったく問題なかったです。ところどころに読んでいない人向けなのだろう、というセリフや演出が(説明セリフにならない程度に)うまいこと入り込んでいたように思います。もちろん、原作を知っていたらより楽しめるあれこれはあったのだろうなとは思いますが、おいてけぼりにされたりついていけなくなったりということはありませんでした。


特に演出が好みでした。
正直マンガイラストを投影することそのものにはちょっとひいてしまうところがあったのですが、何よりあのさまざまな台形ブロックとそれを動かすパフォーマーさんたちの楽しさ。しょっぱなに数個の台形を組み合わせてマンガのコマ割りみたいにしたスクリーンが使われていたら、そのあとそのコマを分割させたようなブロックをパフォーマーさんたちが抱えて現れ、それを組み合わせて作った立方体に映像が映し出されたり、組み合わせを変えてテーブルになったりする。単純なブロックがパフォーマーさんによってスムーズに形も用途も変えていくさまを観ながら途中で「あれ、演出、小野寺さんだったっけ?」と思ってしまいました。
違いますよ、演出はラルビですよ、TeZukAの。だから森山未來のダンスを期待してしまったのじゃない!ねぇ。ダンスについては単純に量的に物足りなかったです。素晴らしかったからこそ「もっともっと観たかった!」と思わされました。最初に森山未來が踊りだしたとき、立見で疲れた足元からぞわっときたもの。あーこれこれ、これが観たかったの、素晴らしい!上着を脱ぐと汗だくなロボットの舞う姿、堪能いたしました。


それから永作さんは驚異の40代でした。なんなのだあの「森山未來の妹」としての説得力。


お名前はよく聞く谷賢一作品をこういう形ではじめて観るとは思わなかったな。なぜか縁がなくてチケットをとってもいけなかったりしてたダルカラ、今年こそ観に行ってみようか。


ストーリーについては、学生時代に読んだ清水玲子のマンガを思い出していました。アンドロイドが主人公で、「ロボットは人間を殺してはいけない。人間の命令は聞かなければいけない。では人間が“人を殺せ”と言ってきたら?」というシーンがある作品。初期のやつ*3。20年以上経って知る、「手塚治虫に影響された作品だったのかー」。『鉄腕アトム』もちゃんと読んだことないのですよね。

*1:その日はそのこと知ってて納得して観たのです。1回ちゃんと座って観たということもありまして。

*2:1巻が発売されたときに「アトムをモチーフに現代の戦争とからめた」作品であるということをちらっと聞いたかな?というくらい

*3:『竜の眠る星』、『』あたりでしょうか。タイトルは覚えていません