sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

2014年観た映画

新作28本、旧作13本。
今年はGWあたりに「ジャック・タチ映画祭」と「バウスシアター最後の宴」が重なったのもあって、例年よりはたくさん映画館に出向きました。新作も前半に多く観てますね。後半に失速したのはおうちにネコがやってきたからです。これまでだったら映画観て帰っていた水曜レディースデーも「おうちでネコがひとりで待ってるから」とそそくさとおうちに帰ってしまったという(えへへ)。

  • 新しき世界

チョンチョン兄貴ーーー!
もうこれに尽きる。
最初出てきたときにたいしてかっこよくもないチャラい人が出てきた、なんなのコイツって思っていたのに最後には「兄貴ーーー!」ってチョー嬉しくなっちゃう、そんな王道の少女マンガみたいな惚れ方しました。ある意味世間的にも漫画的な*1受け止められ方をしていた作品みたいですね。こういういわゆるブロマンスというやつが大好きなのです、ということを改めて認識しました*2

4月末にバウスシアターにホドロフスキー監督のトーク付き『エル・トポ』を観に行って、映画館で初めて観る作品はもとより、とにかくホドロフスキーおじいちゃんに魅了されてしまった1年でした。含蓄のある言葉をたくさん伝えてくれている中に、あふれ出るチャーミングっぷりは『ホドロフスキーのDUNE』で爆発していましたよね。あの『砂の惑星』を観たエピソードを語るおじいちゃんの表情&語り口をご覧になりましたかみなさん(机バンバン)! 23年ぶりの新作『リアリティのダンス』は冒頭あたり、子供時代の海岸のシーンが大好きです。予告編でも映し出されていた鳥がばーっと舞う画面、もっともっとドでかい画面で観たいなーと強く思いました。


  • 6才のボクが、大人になるまで

めずらしく公開を数か月前から心待ちにした映画でした。
親切過剰・ドラマティック過剰でない見せ方がとっても好みでした。
何の説明もなく急に1年経過していたりするのだけど、子供たちの見た目がそれを説明してくれているし、親の離婚も義兄弟との別れも恋の予感も、本人以外には、淡々と訪れて淡々と通り過ぎていくものだとよくわかる。観客の想像力を信じてくれているようにも感じて嬉しく楽しく観ました。
ぐっときたのは、なんでもないシーンだったけど、ハリーポッターの新刊を買いに行くシーン。出版パーティーみたいにコスプレして買いに行くんです。そして本を手渡される様子が、手渡す大人側からの視点=ボクを斜め上から見下ろしている映像でうつしだされていたんです。自分が小さいころに本屋さんが大好きで、何か月分かのおこづかいを貯めて本屋さんのレジに本を差し出すときのワクワク感を鮮明に思い出しましたし、「ああ、あの頃の自分はきっとこんな顔して本を買っていたんだろうな」とも思いました。子供の頃の自分と今の自分との両方であの素敵な「本を買う」という一瞬を愛でたシーンでした。


その昔、ビデオを借りてきて自宅でみまくっていたジャック・タチ作品をスクリーンでたっくさん観ることができたのはほんっと嬉しかったです。『パラード』にもやっと出会えた。いま観てみると『おくの伯父さん』でルンバみたいな自動掃除機出てきて、あの頃の未来にぼくらは立っているのかな、と。


  • バウスシアター最後の宴

吉祥寺にいくのはバウスシアターに行くため。最近はそうなっていたのでさみしいさみしいさよならバウスシアター。つい先日建物の取り壊しが始まったと聞きました。
そんなセンチメンタルな気持ちを吹き飛ばすよな素敵な爆音上映を最後にぶっぱなしてくれて、楽しい気持ちとともに最後のバウスシアターを後にできて幸せでした。
『エル・トポ』、『ブルース・ブラザース』、『アンダーグラウンド』、『ロッキーホラーショー』。あまり回数は通えなかったけど、最後に爆音で観るのになかなか素敵な映画を選ぶことができました。


2014年観た映画リスト

  • 新作 28本

01/01 かぐや姫の物語
01/01 オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ
01/03 ゼロ・グラビティ
02/01 アメリカン・ハッスル
02/01 ウルフ・オブ・ウォールストリート
02/01 プリンス/サイン・オブ・ザ・タイムス
02/11 ビフォア・ミッドナイト
02/11 メイジーの瞳(What Maisie Knew)
03/01 愛の渦
03/05 キック・アス/ジャスティス・フォーエバー
03/12 ダラス・バイヤーズクラブ
03/12 ネブラスカ〜ふたつの心をつなぐ旅
03/12 新しき世界
03/14 アナと雪の女王
03/14 ラッシュ〜プライドと友情
03/19 LIFE!
03/20 劇場版テレクラキャノンボール2013
04/18 LEGO(R)ムービー
06/01 ヴィオレッタ
06/01 アクト・オブ・キリング
06/14 ホドロフスキーのDUNE
07/19 リアリティのダンス
08/12 her〜世界でひとつだけの彼女
08/13 複製された男
09/26 シュトルム・ウント・ドランク
11/14 6才のボクが、大人になるまで。
11/19 紙の月
12/14 ゴーン・ガール

  • 旧作 13本(1プログラム=1本でカウント)

03/21 三浦大輔オールナイト
   (愛の渦/恋の渦/ボーイズ・オン・ザ・ラン
04/20 ジャック・タチ映画祭 プログラム3
    「陽気な日曜日」「トラフィック
04/26 エル・トポ 
    バウスシアター最後の宴初日。アレハンドロ・ホドロフスキー監督トーク付。
04/29 ジャック・タチ映画祭 プログラム1
    「プレイタイム」
04/29 ジャック・タチ映画祭 プログラム5
    「フォルツァバスティア'78/祝祭の島」「郵便配達の学校」「のんき大将 脱線の巻【完全版】」
05/01 ジャック・タチ映画祭 プログラム6
    「左側に気をつけろ」「ぼくの伯父さんの授業」「ぼくの伯父さんの休暇」
05/01 ジャック・タチ映画祭 プログラム2
    「家族の味見」「ぼくの伯父さん」
05/05 ジャック・タチ映画祭 プログラム4
    「乱暴者を求む」「パラード
05/11 ブルースブラザース (バウスシアター最後の宴 爆音上映)
05/18 アンダーグラウンド (バウスシアター最後の宴 爆音上映)
05/18 ポーラX       (バウスシアター最後の宴 爆音上映)
05/18 ロッキー・ホラー・ショー(パフォーマンス付)
             (バウスシアター最後の宴 爆音上映)
11/19 ブラック・レイン

*1:おもに腐の方面で

*2:このあと観に行ったパラドックス定数のお芝居でさらに確信