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「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

SSTV星野源特集「死に物狂いのストレンジャー」

くも膜下出血でお倒れになり、復帰してからそのときのことをいろんなところで丁寧に語っている源ちゃん。以前SSTVで放送された映像を交えつつ、ソロデビュー以降を追っていく丁寧なつくりでした。
http://www.spaceshowertv.com/program/special/1305_hoshinogen_sp.html


井手さん大活躍。

10年位前に井手さんのワークショップに参加した源ちゃんの様子から、サケの「会社員」、源ちゃんの「夢の外へ」、そして「化物」の撮影エピソードを語ってくれてました。付き合いが長い人によるインタビューはそれだけでも面白いんですが、話の中に出てくる映像が効果的に挿入されるからわかりやすいし楽しいし。映像を使用できる音楽チャンネルならではだなー。

イデビアン・クルーの公演は観に行ったことがない。井手さんのダンスを生で観たのは、公演としては、康本さんとの「むかしばなしのダンス」くらい。それから昨年のF/Tモブでみんなにまざって踊られてたのを目にしたくらい。
F/Tモブ、井手さんのが一番「楽しい!」て高揚した。正直「むかしばなしのダンス」のときは康本さんのダンスばかりを観てしまっていて、井手さんのダンスをどう観て楽しめばいいのかな、って思っていた部分があって。だけど、F/Tモブのときに「わかったわー!」てぐっときた。踊ってて楽しいし、楽しそうに踊ってる人を観ててまた楽しい。モブだから踊ってる人たちのクオリティはバラッバラなのに、みなさんの顔がすごくいきいきしちゃってたんです。
で、昨日、井手さんが当時のことを語りつつ映し出された「夢の外へ」「化物」を観てたら、源ちゃんはそのことを10年前から知ってたのだなーってすぐわかった。「踊りたい」ってはっきり言っていましたけどね。そりゃわかるね。



「化物」について。

昨年亡くなった方の語られてた内容を基に作った、その方のための曲*1。その人の曲だと思って作っていた。だけど、この曲を録音し終えたその日に倒れて、怖くて2週間自分の曲を聴かなかったあと、「このままではこの曲がトラウマになってしまう!」と半ば無理やり聴いてみたら、「自分の曲だ、自分のことを歌っていたのかも」と思った、と。

一人お家へ帰る
風呂場で泡立つ胸の奥騒ぐ
誰かこの声を聞いてよ

復帰してから、源ちゃんはそのときのことをいろんなところで語ってくれてる。サケノサカナ、ラジペディア、GINZA。どれもすごく怖いことも含めて詳細に語ってくれてる。見聞きするたび(語り口を軽妙にする心遣いを感じつつ)涙でるし、自分の想像を超えてて怖い。
それでもあえて詳細を語る源ちゃんに、変化や決意を感じる。自分のことを心配してくれた人、見てくれている人、自分の音楽を聴いてくれている人への気持ちを大切にしている、そしてそのことをちゃんとその相手に伝わるように伝えていこう*2という決意。


番組の中で「自分がリセットされた」と言っていたこと。
この「化物」の歌詞ができなくて家の中で叫んだりして今振り返るとあのときの自分は狂ってたと思うと言っていたこと。

私は最近源ちゃんのことを見聞きするたびに、「この人、“ブランコ”作った人なんだよな」って思ってた。

だけど 死ぬのは怖いし できれば 未来は見たい

この曲を初めて聴いたのは、VACANTでのタムくんとのイベントの時。この部分、ものすごいインパクトで、そのときの景色を聴くたびに思い出す。
「自分はどうだろう、未来見たいかなぁ、もしかしてそんなでもないかも」と思ったという個人的なインパクトもあったし、源ちゃんが次の段階に上った!ていうインパクトもあった。


で、「化物」。
倒れる前に作った曲だけれど、この曲と源ちゃん本人の言っていることと合わせて、またひとつ次の段階に上ってくんだろな、というかもう上がってんだろな感がビンビンする。不謹慎は承知の上で、この曲と大変な体験を携えたうえで、今後つくってく曲がすごいものになりそうな気がしてすごいドキドキします。

もちろん無理はしないでほしいですが。去年のCircleのときにあまりのやせっぷりに心配しちゃっていたことも確かなので。

*1:追記:6/5発売のブロスによると勘三郎さんとのこと。勝手に川勝さんだとおもってた。勘三郎さんがひとりお風呂で孤独を抱えていたのかと絶句してしまう。中村座のドキュメンタリーとかでも見えない姿なのでは。詳しくないだけかもしれませんが。

*2:日本語変だな