sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

アルゴ

ナイスおじいちゃん

ベン!
抱いて!
(またはじまった)


いやー、おもしろかったです。


ほとんどタイトルしか知らずに観にいって、最初になんだか難しい歴史解説が始まったところで、週のド真ん中、眠気を心配しながらだったから「……まちがった?」て一瞬後悔しました。しょっぱなで示された「実話に基づく物語」がそれを後押ししていて。

だけど、眠気も間違えたかもってことに関しても、なんも心配することなかった。


公開されたばかりですし、何も知らずに観てよかったなーって思ってるのでたたみます。


映画って基本的に嘘もの(虚構)で、
虚構である映画の中で扱われている実際にあった(現実)話。
の中で、嘘(虚構)の映画(虚構)をつくりながら、紛争(現実)の中を逃げ出す話。


どこまでが実際のエピソード(現実)でどこまでが映画特有のエピソード(虚構)なのかわからないんだけど、綿密にたてたはずの計画が、とことんギリギリで通過していくのにまんまとハラハラさせられっぱなしでした。離陸時なんて拍手しそうになったもの。


ディテールにこだわってるな、つくりこんでんだろうな、って思いながら観てました。


70年代はこうだったであろうキャストのみなさんの髪型やファッション、車や電話、たまらなかった。あの車のドアのしまるバタンっていう重さを感じる音とか。画像もちょっと荒いカンジで(こういうあたりは詳しくないですけど)。
それからエンドロールで流れる映画本編のキャストと実際の人物とを比較した写真。最初は左側に実際の写真、右側にそれをこの映画内で再現した写真が表示されてるんですが、途中から左が映画内の、右が実際の写真に入れ替わるんですよね。一瞬、入れ替わったことに気づかない時間がうまれるんです。そんくらいそっくり。キャストの顔がそっくり、服装も、景色も小道具も細部にいたるまでそっくり。
「虚構だけが銃から身を守る」「やるなら徹底的にやらないとダメだ」というこの映画の中の嘘の映画を作る*1ために発せられた台詞が、現実のこの映画にも適用されているんですよね*2


なんだそれ!
かっこいい!
(もう最終的にはこんなんしかでてこない)


それから、この事件(?)については覚えていないけれど、イランについてニュースできいた覚えのある人物が支配していたころの、自分が生まれた後の話であるってこと、けっこうこの映画を観るにはよい条件だったんじゃないかっておもう。より「現実」と「虚構」が混乱して。


(追記)
町山さんの解説なんてものがあるのね。未聴のためメモ。
http://www.youtube.com/watch?v=P1r-bXqefLo

*1:つまりは脱出を成功させる

*2:後から読んだら何言ってるか分かんないだろうなって文章にしかならない