sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

あの人の世界 / サンプル @ 東京芸術劇場 小ホール1

ko-moto2009-11-08

作・演出:松井 周
出演:辻美奈子(サンプル・青年団) 古舘寛治(サンプル・青年団) 古屋隆太(サンプル・青年団) 山崎ルキノ(チェルフィッチュ) 渡辺香奈(青年団) 奥田洋平青年団) 石橋志保(中野成樹+フランケンズ) 深谷由梨香(柿喰う客) 芝 博文 田中佑弥 善積 元 羽場睦子

その場所を二人の者が占めるわけにはいかない。
だから男は家を出た。

耳に息を吹き込まれた。
その心地よさを味わいたくて、女は都会にやってきた。

ゆりかごから墓場まで。墓場からゆりかごまで。
私たちは常にサインを受けとりながら進む。
ネズミの死骸、朝の光、エアコンの音、誰かのまばたき、ゴムの感触、
おばあちゃんの思い出等々…
正しいか正しくないかは問題じゃない。
鮮度が頼り。

つまりは出会いの話です。
http://festival-tokyo.jp/program/sample/about.html

(11/11記述)
難しかった。いや、はっきり言おう、分からなかったです。
私ではない誰かの妄想を「あの人の世界」として見せられているのかな?目の前で繰り広げられている個々の会話や、登場人物のある程度の立ち位置はわかるよな気がしましたが、進むにつれてそれらの関係性に「?」となってしまいまして。妄想、あるいは夢なんですよ、と捕らえれば無理矢理納得できる……かなぁ?観ている途中から、理解しようとするのを放棄してしまいました。
やや疲れ気味で難解なものを理解しようとする気力がなかった、という自分のコンディション。それから物販のところに「この作品と対になる」作品として「カロリーの消費」が並べられていて、古屋さんがどちらも似たよな変態っぽいSな役柄でいらしたので、無意識に結び付けようとしちゃったのかもしれない。……。いや、もういいや、作品自体じゃなくて「なぜ分からなかったか」についてももう考えない。うん、分からなかったです。


で、他の方のレビューなど観ると絶賛されているんですけど、それを読んでも「?」は消えませんでした。青年団関連の方*1が褒めの記述をされているんですけど、「わかんないことないだろう」みたいなことを同時に記述されているんですよね。かえって、ある程度の分かりにくさを認めているように見える。というか見せているんだろうな。なんだろう、ちょっと違和感を感じてしまいます。「りたーんず」の時に感じたものとちょっと似ているかも。作り手の仲間内で閉じてる印象を受けてるのかなぁ。でも「内輪うけ」という言葉ともちょっと違う。

会場に向かうまでに呼んでいた本の中で「山月記」の虎になっちゃうところを引用した箇所を読んでいたので、犬になったときには「なんたるシンクロ」と思いました。

*1:具体的には岩井さんと多田さん