sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

矢野顕子×上原ひろみ / 東京JAZZ Gala Night @ 東京国際フォーラム ホールA

思えばあのスライ日本公演から1年たったんですね。あれは昨年の東京JAZZでした。くるくるくるくるくるくるくるくる*1回るスライ御大のお姿忘れません。


げいのうじんがたくさんインフルエンザにかかっているよ!なニュースが駆け巡った今週、みごとにインフルエンザではない風邪を患い、しかも楽しみにしていたライブの当日から、マスクの下でとめどなく流れ始めるはなみず。「Gala Night」ということで他の出演者もありましたが、会場の寒さもあって、外に出たり、中で聴いていても意識朦朧だったりで、まともに観たのはお目当ての矢野さん×上原さんのみでした。途中で何度か帰った方がいいのではないかしら、となりましたが、最後までいてよかった!!すばらしい演奏を目にした後ではひとっつも後悔することはありませんでした。

配置は前回*2と同じく向かい合わせのピアノ、上手側に上原さん、下手側にアッコちゃん。途中ひとりだけになったりしつつ*3のあっという間の1時間半でした。

前回観たときも思いましたが、上原さんのプレイを観ていると、「ああ、ピアノって打楽器だったんだ」ってなる。彼女にかかるとピアノは音階ついた打楽器になっちゃう。指で顔で体全体で叩いて音を出してる。そして彼女のピアノは「ジャズ」というベースを基に、その上で確かなテクニックで大暴れしている印象。
対してアッコちゃんは、ベースそのものが「矢野顕子」。このお二人だと格闘技的な「ピアノバトル!」な雰囲気になりそうなんだけど、アッコちゃんがそのどでかい「矢野顕子」という土台に上原さんを招いて、「いらっしゃい、たーんと暴れていきなさい!」って言ってるような。友好的であり、挑戦的でもあって。あまりの刺激に観ているこちらはもう椅子の下からむくむくと持ち上げられているような興奮を感じているわけだけど、間違いなく一番楽しんでるのはステージ上のお二人よねぇ。

上原さんのソロの速弾きがあまりにもすごくて「出た、イングヴェイ*4」とかつぶやく始末だったんだけれど、その直後にステージに登場した矢野さんが真似っこして速弾きしたのがめちゃくちゃかわいらしかった。

あと、途中で数回、演奏中に手拍子が発生するという信じがたい現象が発生しまして。まったくもって理解できませんそのセンス、とイラっとしていたら、把握しづらいリズムの登場とたたみかけるよな迫力の演奏で手拍子をすぐさまねじ伏せました、このお二人ったら……!気持ち良かった!

*1:書いてるうちにオーケン@いくじなしの声になってきました。これね。http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND48803/index.html。歌詞というかなんというか。

*2:http://d.hatena.ne.jp/ko-moto/20061208#p2

*3:舞台で入れ替わる時のハイタッチに感じるお互いの信頼と仲良しさ加減といったら。

*4:前回観たときも同じこと思ってた、のを自分でも忘れていたので今回読み返して笑った。