sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

SADAME no MIKATA wa / KENTARO!! @ あうるすぽっと

ko-moto2009-08-09
KENTARO!!のソロ公演最終日。
公演時間は1時間。ダンスですものね。映像やセリフも含めていて、なんか勝手に体ひとつでずっとやりそうな気がしていたので意外でした。くつしたのくだりとかかわいくて大変でしたけど。音楽もJBから大貫妙子、オリジナル音源など。「HIP HOPの人」とひとくくりにしちゃもったいないな、とひしひし感じました。
ダンス自体は見た目が軽やかで飄々としているんですけど、この観ている間にびんびんに伝わってくる真摯な姿勢はなんなんでしょう。ちゃんとお金をとって公演を打っていることを意識した上で、客席の期待にこたえるためにまっすぐに作っているんだなー、って感じました。

最初にステージに上がってきたときの服装が、フジロックな若者っぽくて。ゴアテックス的上下にリュック。それでぴょこぴょこ踊るんだもの。なんか最近こういう人たくさん観たな、って思った。

下手奥に置かれたテーブルと椅子の上でくるくる回ったり。後ろに小さなお子様がいて、テーブルの上で回ったときにちっさいこえで「すごい」とかお母さんに話しかけているのを聞きながら観たのがまた楽しかった。テーブルふいたクロスで顔の汗ぬぐっちゃったりするかわいらしいパフォーマンスもよい。


それからJBの音楽に合わせて踊るパート。Funkという音楽から連想するガッツンガッツンなダンスではなくて、「軽快に歩いています」という振りだったのににんまり。そうこなくっちゃ。個人的に勝手に驚いていたのは、聴きなれたファンキーな音楽がこれまでと少し違って聞こえたこと。バンドもなくって、ファンキーなダンスもない状態で、ただただ軽快な動きを見せてもらったことで、Funkという音楽って実は性的なんだなーって気付くというか。真夏の汗だくセックスみたいなものを連想しているのかもしれん、と思った。そりゃJBもいつもセクシーという記号をまとったダンサーを従えているはずだわ。まあ要するに今日のFunkパートのダンスを観ながら「エロさゼロだな」って思ったんです。自分がFunkをエロい音だと感じていたとは新しい発見*1

ラスト、大量のキラキラ(雪に見立ててたのか)の中で動く姿が美しくてよかったなー。肩に、背中に、腕に少しだけたまったキラキラが、動くたびに上から降り続けるキラキラとあわせてうねる様がえらいこと美しかった。そしてキラキラの中で踊っている姿は、もがいているようにもみえて、少しの寂しさと前を向くことをいとわない力強さとを一度に感じたのです。開演前にチャットモンチーの「シャングリラ」がかかっていたのを思い出しました。「前を見て歩けよ 希望の光なんてなくったっていいじゃないか」。素晴らしいラストだったなぁ。いま思い出してもうっとりできる。動いているけど、静謐な一枚の絵のようでした。


某所で格安チケットが出ていたりしたのですが、うーん、あんまり人入ってなかったです。あうるすぽっと2/3くらいかなぁ。みんなもっと観にくればいいのにな。


今回の公演の予告編。うーん。やっぱり映像では彼の魅力が伝わりにくいような気がする。

*1:よく語られることだとは知っているけれど、いままで「そうかぁ?」て思ってた。