sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

3人いる! @ リトルモア地下

作:多田淳之介
構成・演出: 飴屋法水 

デスロック版の公演はとっくにいろんなところで終わっているのでいいかも?と思わなくもないですが、これから初めて観る方にはぜひ事前情報をシャットアウトして臨んでいただきたいのでたたみます。

「全公演、演出を変えます」と宣言されていると記憶していたこの公演、演出だけじゃなくて出演者も毎回違うのですね。本編終了後に、後ろに座って(マーブルチョコやら投げて)いらした飴屋さんが「本日の出演者は〜」て仰ってました。
本日の出演者は

伊集院もと子 紅林大空 宮本聡

……ってあなた、あの紅林@転校生だったの!ずっと目の前で演じてたのに飴屋さんの紹介で初めて気付いて「うわうわうわ!」てなった。
http://www.littlemore.co.jp/chika/3nin/opus
ここに終演後に出演者リストが載るんね。

タイトルどおりのSF設定。自分の部屋にもう一人の自分が現れる。妹の家にももう一人の妹、父にももうひとりの父。それぞれにとってはもう一人の自分がいるんだけど、他の人には二人いるように見えてない。もう一人の自分を指差しているのに、他の人からは自分で自分を指差しているようにしか見えない。3人の役者に役は1つとは限らなくて、さっきまで姉だった人がいつのまにか「もう一人の」妹になっていたり、男性が「姉」になっていたり。繰り出される言葉によっていま誰がどの役をやっているのかを判断しながらの観劇になるので、1時間という短い上演時間でよかったと思いました。観終わったあとに頭がここちよくマッサージされたような気持ちになりました。なんだろ、歌うときに「脳天にあててから出す」っていうあの感覚に似ていて、ある意味気持よかった。これ、デスロックを敬遠してた時期の作品でねー。もったいないことした。デスロック版観たかったです。


もし自分がこのシチュエーションに陥ったら、状況がつかめた時点で部屋から出ていきます。10分でストーリーイズオーバー。誰にも迷惑かけずにこの自分という存在から逃げられるってことがひどく魅力的に見えました。どうやら疲れている。