ざんねん!
ざんねーーーーん!!
これ観て「クドカンの舞台ってこんなカンジなんだー」なんて思っちゃったらもったいないなぁ、と終始思い続けました。いや、それで舞台チケットの競争率が下がるならそれでいっか……(チケット抽選運のなさにいじけきっているようす)。舞台版の「鈍獣」が大好きなので、まず映画版を手放しで面白い!と思うことはないだろうな、と覚悟して*1観にいったけど、予想を上回るざんねんな仕上がりだったと思います。
ちなみに公式サイトにある鈍獣占い*2は順子ママでした。大器晩成といわれ続けて晩になりまくっているような気のするいいお歳のワタクシです。
まだ観てない人は読んではいけないことを書くのでたたみます。
特に、舞台で私が「おぉぉっ!」ってなったところがみんなさらっと流されてしまっていたところが不満でした。あの、「今まさにここで?」ってことが分かるシーン(シズカ嬢が段ボールに乗ってエレベータに押し込まれちゃうシーン)の鮮やかな時制のかみ合いっぷりの気持よさがなくって。凸やんが段ボールに入れられて放置されるシーン。その段ボールをはねたのが、シズカ嬢が乗ってきた電車だった、というように書き換えられていまして。書き換えること自体は全然いいと思うんですけど、そのあと「私が乗ってきたあの電車に先生は轢かれたんだ。あと一日早ければ間に合ってたのに」てうつむいてつぶやかせただけでそのシーン終了。驚こうよ!驚くところじゃないの?やけに物分りよくさくっと終了しちゃうんだもの。うそーん。そしてその電車急ブレーキのシーンでは真木ちゃんにお相撲さんのお腹にダイブさせて鼻血出させてたりして。正直、そんな小手先の演出(コネタにもなっちゃいない)はどうでもいいから、ちゃんとキモのシーンに凝ってくださいよ!て思った。
全般的にテンポがのぺーとしちゃってました。エレベータが呼ばれたときに「チン」て音がするのです。1Fに人がいるってことが、スーパーヘビーのある上層階にいても分かる。だから誰が上がってくるかをみんなで固唾を呑んで待つ、というシーンがやたら多かったです。間延びしてました。急に開いて急に人がいて「わぁ」みたいな怖さの演出すればいいのに。
舞台で印象に残った「覚えてないわ」のセリフもちょろっと出てきただけでした*3。
ああ、全体的に「驚き」の演出が全くなかったのかもしれないなぁ。だから間延びして感じたのかもしれない。
あと、登場人物がみんな魅力的に見えなかった。いとしの一輝ングでさえ。一輝ングつかっときながら!魅力的でない!もうそれだけでざんねんだ!
これ、「原作」「原案」ではなく「脚本」という形で宮藤さんの名前がクレジットされていましたけど、映画用にリライトしたのかしら。気になる。
*1:映画版が評判のよかったSTMBも、舞台版が好きすぎて映画にはムムムとなってしまったので。
*2:http://donju.gyao.jp/fortune/
*3:そしてこれはないだろうな、と思ってたけど「アツい!ヤバい!間違いなーい!」もなかった。まあ、あたりまえ。