sugar-free

「おあずけとなった今年の夏のいい日を、きっと俺達はとり返そうぜ」

青ノ鳥 / ミクニヤナイハラプロジェクト @ NHKみんなの広場 ふれあいホール

ko-moto2009-02-22

作・演出・振付:矢内原美邦
出演:荒川修寺 有坂大志 稲毛礼子 上村 聡 鈴木将一朗
   高山玲子 渕野修平 光瀬指絵 矢沢誠 山本圭

“昼と夜の間にできた一瞬の空白の時間を青の時間っていうんだ”
−森には夜行性と昼行性の生物が入れ替わる空白の時間があるという。その一瞬だけに現れる「青の鳥」を求めて奥地に集まった研究者たち。人類が生きるために必要と思われる研究を進めなくてはいけないのに、その研究はよくわからないことに…。

NHKシアターコレクション'09として上演された4作品の最後を飾るこの作品。初演は2007年、吉祥寺シアターでした。観たいなーと思いつつ他の予定を詰め込んでいた時期の上演&吉祥寺シアターがちょっぴり苦手であるため見逃してしまった作品。とても評判が良かったし、ダンス畑の矢内原さんが岸田戯曲賞の最終候補になった作品でした。
NHKシアターコレクションはTVでも昨年、五反田団が放送されたものしか観ていません。その五反田団作品「さようなら、僕の小さな名声」は初演のアゴラを観ていて、TVで再演をみた形です。そしてアゴラの方が断然良かったな(生で観ていないので比べるのはよろしくないかもしれませんが)、と思っていたのです。
そんなわけで、期待度MAX、でも違う場所での企画だから期待しすぎるなよ〜、と高すぎる期待を一生懸命抑えながら(ヘンにがっかりしたくないから)会場に向かいました。


そして。

もうさいこうでした。
その響きっぷりに驚きつつ、最前列だってのについつい前のめり。
超高速で繰り出されるセリフ。複数名から発せられるセリフとセリフの間も、空白を恐れるかのような詰め込みっぷり。それが妙にリズミカルで「これはなんたるグルーブ!」となんだか足元むずむず、胸元がやたらわくわくしてしまって。演劇という形をとってセリフを話している間ももちろん体は振り付けのように動いていて、それももちろん楽しいんですけど、そこを抜けたところで突入するダンスシーンのエキサイティングなことといったら。楽しすぎて「うわーうわーうわー」て言いそうでした。ちょっと言っていたかもしれない。体も口も動きまくりの上演中に、演者さんたちがどんどん汗だくになっていく様子。そしてあの激しい動きの後に、息切れを感じさせずに高速で繰り返されるセリフ。いやー、たまらなかったです。たまらなかったです!2回言った!生で間近で観ることができて本当に幸せでした。目の前で山本さんが虫を探して床を這い回るのだもの。

映像と実像の兼ね合いがどうとか、よく分からないけれど、舞台上に森が見えたし、高校の文化祭準備の様子も鮮やかに見えた。
TV放送日時は未定のようですが、今から楽しみです。


それから、今回のシアターコレクション共通の4作品全部についての作演者のインタビューが掲載されたパンフレットが配布されました。以前に公演を観た、モダンスイマーズの「夜光ホテル」とイキウメの「短編集」についてのインタビューが掲載されていて、これもまた嬉しい。

あとすごくくだらないことですけど、遊園地再生事業団の上村聡さんが出演されてたんですが、私、この方岸田に見えてしょうがないです。大して似てないとは思うんですが。ようするに好きな顔ってことだね。……て初演時のデータ観てみたら、初演は上村さん出てらっしゃらないんですね。中心人物に見えましたが。初演は足立智充さん*1だったんですね。

*1:チェルで海外か。